国際活動支援班
本研究は、広大なアジア諸国において領域メンバーが展開する国際的な研究活動を効率的に支援し、パレオアジア文化史学の推進に貢献することを目的としている。令和二年度の主な実績は次のとおりである。(1)日本人海外学術情報の集積と発信。領域内研究者が実施しているアジア関連現地調査情報を収集、整理し、ホームページ等にてそれらを発信した。(2)国際的共同研究体制の推進。領域各分野で総計海外約10数機関に所属する研究者との共同研究を進めた。(3)研究者コミュニティへの発信。領域の成果のビジビリティを高め、新たな現地共同研究を開拓するため、関係する海外機関、研究者ネットワークに向け領域出版物の定期的送付をおこなった。(4)中央アジア以東で見つかった初めてのネアンデルタール人化石、ウズベキスタンの1930年代発掘ロシア語記録を翻訳、解説し、ロシア共同研究者とともにその意義について論じた和文書籍の出版を支援した。(5)新人・旧人の交替劇をさぐるのに有効なアナロジーを提供する狩猟採種民・農耕牧畜民交替劇を探るアゼルバイジャンでの現地調査記録をまとめた国際共著書籍を英国で出版する事業を支援した。(6)領域成果を世界第四紀学会連合機関誌の特集号で刊行するための編集補助を実施し、アクセプトされた。上記のうち(4)、(5)、(6)は元来、予定していた海外調査、国際研究集会主催がコロナ禍により不可能になったために講じた代替研究であるが、十分な国際活動支援となった。
1: 当初の計画以上に進展している
国際連携研究の基盤形成を整え、同時に実質的な共同研究、成果発表を支援することができた。計画していた国際研究集会はコロナ禍によって実現しなかったが、それを補ってあまりある成果があったと考える。
期待以上の成果をあげ、かつ国際発信もなしえたとは言え、国内での国際研究集会開催による国内外への研究発信は最終年度においては実現できなかった。したがって、一部経費を繰り越している。今後も、新型コロナ感染症の行方が不透明な中、国際会議開催の可能性を担保しつつも、より確実な国際出版発信を支援する所存である。
海外学術調査や国際研究集会が不可能となったことが次年度使用が生じた大きな理由である。今年度は、代替措置として経費を国際出版支援にあてた。残額は、さらなる国際出版、オンラインを基軸とした廉価な国際研究集会支援等に使用する計画である。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (23件) (うち国際共著 9件、 査読あり 21件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 3件) 図書 (34件) 備考 (4件)
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