研究領域 | 植物新種誕生の原理―生殖過程の鍵と鍵穴の分子実態解明を通じて― |
研究課題/領域番号 |
16K21727
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
東山 哲也 名古屋大学, 理学研究科(WPI), 教授 (00313205)
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研究分担者 |
木下 哲 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (60342630)
瀬々 潤 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (40361539)
渡辺 正夫 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90240522)
辻 寛之 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (40437512)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 若手国際交流 / 新種誕生 / 生殖の鍵と鍵穴 / 国際共同研究コア拠 / 欧州・北米海外拠点 |
研究実績の概要 |
国際活動支援班では、国内外の人的交流による国際共同研究、ブレインストーミング、ミーティングを実施することを通して、「植物新種誕生原理」のために国外研究者が結集・交流できる国際的研究拠点を我が国に構築することを目的とする。特に領域代表が強力にリーダーシップをとり、本領域が推進する3つのブレークスルーテクノロジー、すなわちライブセルイメージング、構造生物学、生命科学と有機合成化学の融合における優位性を通じて生殖研究を国際的にリードするための活動を実施した。さらに、北米拠点や欧州拠点と活発に国際研究活動を推進した。
北米拠点: UC バークレイ校のR. Fischer教授と木下班との間で強固な共同研究体制を構築し、国際共著論文を発表した(PNAS 2018)。また赤木らはUC Davis校のL. Comai教授、I. Henry博士らと最先端情報統計科学技術を取り込んだ国際共同研究を進め、性決定遺伝子をキウイから単離することに成功し国際共著論文として発表した(Plant Cell 2018)。
欧州拠点:スイス・チューリヒ大のKK. Shimizu教授のもとへ瀬々らが滞在して活発な議論を行っている。またまたShimizu教授を日本へ招へいして瀬々班、渡辺班と議論し、倍数体ゲノム研究における国際共同研究体制を構築した。これらの活動によって共同研究が円滑に進み国際共著論文を発表した (Nature Plants 2017, Am. J. Mol. Biol., 2017)。また木下らはスイス・ジュネーブ大学のL.L. Mollina博士を横浜市大に招へいして国際共同研究の議論を進め、成果を国際共著論文として発表した(eLife, 2017)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際的ビジビリティ強化を、以下のように推進している。まず、領域代表がオーガナイザーを務める国際シンポジウムCold Spring Harbor Asia Conference : Plant Cell and Developmentを2017年5月に開催した。国際活動支援班では総括班と連携してスポンサーセッションを実施し、領域の顕著な研究成果を発表した。植物生殖科学における主要メンバーが集結しており、また勃興するアジアの植物科学の研究者も一堂に会しネットワーク形成を推し進めた。我が国と台湾が合同開催した国際学会Taiwan-Japan Plant Biology 2017では国際活動支援センターの支援により本領域の若手研究者を3名派遣し、全員がOutstanding poster awardsを受賞した。本領域の研究成果を国際的にアピールすると同時に、国際的な活躍の期待できる若手研究者を育成するための効果的なエンカレッジメントにもなった。また、拠点である名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所と木原生物学研究所に、世界トップレベルの研究者を複数招へいした。これらの取り組みから、国際的ビジビリティは計画通りに着実に強化されている。
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今後の研究の推進方策 |
領域代表が会長を務める国際生殖学会(IASPRR)では、植物生殖科学の最重要国際会議であるICSPR2018を我が国で平成30年6月に開催する。大会委員長は本領域の木下が務め、本領域の国際活動支援センターはその運営に中心的な役割を果たす。また国際会議の前後にサテライトミーティングを名古屋大学と横浜市立大学の二箇所で開催し、それぞれを国際共同研究の構築の場と位置づけて実施する。
2019年には本領域のブレークスルーテクノロジーであるライブイメージングや有機合成化学を活用した植物生殖科学をテーマにEMBOワークショップの開催を打診され、これを実施する予定である。EMBOワークショップは次世代研究の中心となる新技術として認められたものが対象として選定されるため、これにより本領域のブレークスルーテクノロジーを世界に発信することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
先方負担や学会によるサポートが多かったため。
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