研究領域 | スロー地震学 |
研究課題/領域番号 |
16K21728
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小原 一成 東京大学, 地震研究所, 教授 (40462501)
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研究分担者 |
廣瀬 仁 神戸大学, 都市安全研究センター, 准教授 (00465965)
波多野 恭弘 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20360414)
氏家 恒太郎 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40359188)
望月 公廣 東京大学, 地震研究所, 准教授 (80292861)
井出 哲 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90292713)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 固体地球惑星物理学 / 地質学 / 非平衡・非線形物理 / 沈み込み帯 / 地震 |
研究実績の概要 |
平成29年9月19~21日に愛媛県松山市で領域研究集会を開催し、130名の参加者のうち海外研究者6名 を招聘した。平成30年度は9月に福岡県福岡市における開催を決定し、招聘する海外研究者等の選考を開始した。JpGU2017の本領域セッションに2名の海外研究者を招聘し、JpGU2018には3名の海外研究者招聘を決定した。平成29年7月30日~8月4日に開催されたIAG-IASPEIに本領域セッションコンビーナーとしてMarone博士を招聘し、同氏によるスロー地震カフェを神戸大で開催した。 スロー地震カタログの一層の充実のため、Poiata博士を約1ヵ月半招聘した。 若手研究者海外派遣として、京都大学博士課程1年の片上智史氏をMiami大学及びCalifornia大学Riverside校に2ヶ月間、東京大学博士課程1年の栗原亮氏をGeorgia工科大学に1ヶ月間派遣した。フランス・コルシカ島で開催された地震科学サマースクールを共同開催し、領域から講師2名、大学院生3名を派遣した。 平成30年2月26~27日にニュージーランド押しかけ研究集会 "New Zealand-Japan Joint workshop on Slow Slip"をビクトリア大学ウェリントン校で開催し、65名、うち日本から27名が参加した。研究集会後、2月28日にビクトリア大学ウェリントン校、及び3月1日にNPOのEast Coast LABの主催でネイピアの国立水族館にて、一般市民向けの講演会を行った。 ニュースレター第2号の英語版を発行し、本領域の研究活動について国際的周知を行った。その一環として、平成29年4月23日~29日にウィーンで開催されたEGU2017にて、ニュースレター第1号英語版冊子を配布したとともに、翌年度のEGU2018でも、ニュースレター第1号、第2号を配布するための手配を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成30年2月26~27日に、本領域の国際活動において最も重要で特徴的なイベントである押しかけ研究集会をニュージーランド・ウェリントン市内で開催し、大きな成功を収めた。ビクトリア大学ウェリントン校で開催した本研究集会には日本から27名、NZ側はビクトリア大学13名、GNS Science15名、他にオタゴ大学、NIWA、などから参加者があった。また,ケンブリッジ大学(英)やコロンビア大学(米)からも参加者があり、多国間の研究交流が行なわれた。開会に先立ち,ビクトリア大学のギルフォード副総長および高田駐NZ日本大使から、日本とNZの共同研究の更なる発展を期待するとの挨拶をいただくなど、本領域研究への関心の高さが示された。さらに、集会後は東大地震研の望月公廣と京大防災研の伊藤嘉宏によって2箇所で一般講演会を開催し、それぞれ29名,78名の聴衆が参加した。これらの講演ではニュージーランド・ヘラルドのインタビューを受け、3月7日の朝刊に記事が掲載された。また、ウェリントン断層やNIWA, GNS Scienceをめぐるウェリントン近郊コースと、2016年Kaikoura地震で出現した断層周辺を調査する南島コースの2つの巡検を企画・実施し、これらの参加者からは、非常に有意義であったとの感想が聞かれた。この押しかけ研究集会は領域研究2年目と4年目に行なう計画であり、4年目の平成31年度にはチリで開催することを決定するなど、順調に進行している。 平成29年度は、JpGU2017に2名、IAG-IASPEIに1名、松山で開催した領域研究集会に6名、それ以外2名の、合計11名の海外研究者を招聘するなど、積極的に国際研究交流の取組を行なった。 EGU2017及び2018にて領域ニュースレターを配布、及びその準備を進めるなど、領域研究の海外での認知度向上に貢献している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年5月20~24日に開催されるJpGUでは3名の海外研究者を招聘するほか、領域単独でブース出展を行い、ニュースレター英語版を配布する。さらに、年1回の予定で発行するニュースレター英語版を計画通り作成し、ウェブサイト英語版ならびにSNSのタイムリーな更新を通して領域研究の国際的周知を加速する。 領域研究の国際研究交流を更に活発化させるため、平成30年9月21~23日に福岡県福岡市で開催する領域の大規模国際研究集会には、約15名もの海外研究者を招待講演者として招聘し、その選考・調整・招聘手続を進める。また、他の地震研究プロジェクトが主催する研究集会と連携して海外研究者を招聘するなど、国内外地震研究コミュニティにおける研究交流の緊密化及び効率化を図る。領域国際研究集会を契機に国内領域研究者との共同研究を長期間にわたって実施可能となる長期招聘を実現するよう調整を行う。また、若手研究者海外派遣については、より多くの大学院学生に海外研究機関における国際共同研究の機会を提供し、若手研究者の育成に貢献できるよう、事業内容の周知と応募者拡大を図る。 平成29年度に実施したニュージーランド押しかけ研究集会にて構築した研究交流のフォローアップを行ない、国際共同研究への発展の可能性について検討を進めるとともに、平成31年度にチリで開催予定の押しかけ研究集会について、その詳細スケジュールの検討を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、国際活動支援班の事業の中で押しかけ研究集会以外は、概ね5か年で平準化した計画を立てていたが、領域研究3年目に予定されている領域の大規模国際研究集会により多くの海外研究者を招聘し、さらにその招聘に合わせて国際共同研究を実施するための長期滞在を可能とするなど、領域研究の国際的卓越性を更に強化するため、領域研究2年目の平成29年度については可能な範囲で使用額を抑え、それらの研究事業に必要な経費を次年度に繰り越すことにした。また、平成29年度に松山市で開催した領域研究集会やニュージーランドで開催した押しかけ研究集会については、東京大学地震研究所の共同利用制度等の支援を得ることができたため、その分を次年度の事業展開に活用することが可能となった。 領域研究3年目に当たる平成30年度には、9月21~23日に福岡県福岡市において大規模な国際研究集会を開催するため、可能な限り多くの海外研究者を招聘して国内外の研究交流を促進させるとともに、領域国際研究集会を契機に国内領域研究者との共同研究を長期間にわたって実施可能な長期招聘を実現するよう調整を行う。また、若手研究者派遣については、より多くの大学院学生に海外研究機関における国際共同研究の機会を提供し、若手研究者の育成に貢献できるよう、事業内容の周知と応募者拡大を図る。
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