国際活動支援班
本研究領域では、T細胞・B細胞の抗原認識機構の解明を目指し、免疫学的自己の性状がどのようなものであるかについて研究を行っている。すなわち、「ネオ・セルフ」抗原の生成、「ネオ・セルフ」抗原への免疫応答の個人差が、従来の「セルフ」対「ノン・セルフ」に基づく免疫応答以上に、個体ごとで異なるHLAの差異に基づく事実が明らかとなってきている点をふまえ、令和4年度においても引き続き、免疫応答におけるHLAの役割を明らかにしたいと考えて学術活動に取り組んだ。このような背景から、本研究領域においては国際的な共同研究が極めて重要である。すなわち、「ネオ・セルフ」概念への到達のために免疫学のみならず、遺伝学、立体構造解析学など異分野の知見の統合が重要で、集学的研究が世界規模で行われる必要性を実感しつつ研究を進めて来た。しかしながら、前年度に続いて今年度も新型コロナウイルスの蔓延に伴い様々な講演計画が開催中止の運びとなったことは誠に残念である。それに代わり、領域代表の松本が機能解析を行っているAire遺伝子の遺伝子改変マウスを多くの研究者に利用していただけるよう、世界でもっとも広く利用されている米国ジャクソン研究所に合計9系統の遺伝子改変マウスを登録し、世界中の研究者が利用するためのリソースとして寄託した。同様に、Aire遺伝子以外の遺伝子改変マウスについても我国のバイオリソースの中心的役割を担う理研・バイオリソースセンターへの寄託を進めたが、諸事情により令和4年度中の寄託は実現しなかった。本研究領域は今年度をもって終了するが、今後もこれらのバイオリソースの提供と論文発表を介して本領域の活動が広く周知されることを強く願っている。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
Nature Communications
巻: - ページ: -
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http://www.tokyo-med.ac.jp/neoself/