研究領域 | 生物ナビゲーションのシステム科学 |
研究課題/領域番号 |
16K21735
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 浩一 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80228410)
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研究分担者 |
木村 幸太郎 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (20370116)
妻木 勇一 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50270814)
竹内 一郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40335146)
前川 卓也 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447025)
玉木 徹 広島大学, 工学研究院, 准教授 (10333494)
依田 憲 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10378606)
飛龍 志津子 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (70449510)
高橋 晋 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (20510960)
小川 宏人 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70301463)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 行動生態 / ロボティクス / 知識発見とデータマイニング |
研究実績の概要 |
本領域では、生物ナビゲーション研究のためのシステム科学的枠組みを構築し、我が国がナビゲーション研究を国際的に牽引することを目的としている。そこで、本領域の計画班に所属する若手研究者が、異分野にまたがる国際共同研究を実施することを積極的に奨励し、渡航費の支援を実施した。具体的には、海外渡航に関する公募を実施し、計画班員による厳正な書面審査及び合議審査により、2名の若手研究者を派遣することに決定した。牧口助教は、2016年10月31日から11月9日まで、University of Windsor, Trevor Pitcher博士との国際共同研究を進展させるため、カナダ西海岸バンクーバーの北に位置するイエローアイランドでマスノスケを対象とした実験を実施した。Mueller博士研究員は、2016年11月13から2017年1月21まで、Instituto de Biologia de Organismos Marinos, Flavio Quintana博士との国際共同研究を進展させるため、アルゼンチンのパタゴニア海岸で海鳥とペンギンを対象とした実験を実施した。 更に、加えて、来年度に予定されている、ナビゲーションデータを題材とした分析手法の国際的コンペティションの準備を開始した。計画班員の依田が持つナビゲーションデータやビデオなどを題材とし、移動軌跡から海鳥の雌雄の弁別などを課題とするコンペティションの枠組みを整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、国際活動を推進するために海外派遣を実施した。まず、計画班員3名による厳正な書面審査結果を実施し、その結果を踏まえ領域会議での合議審査により、2名の若手研究者を派遣することに決定した。牧口助教は、2016年10月31日から11月9日まで、University of Windsor, Trevor Pitcher博士との国際共同研究を進展させるため、カナダ西海岸バンクーバーの北に位置するイエローアイランドでマスノスケを対象とした実験を実施した。この実験では、小型加速度ロガーをサケ科魚類の背中に装着し、産卵行動を記録した。現在、加速度データから解析した産卵行動を行ったペアの情報と鰭のDNA情報から解析したMHC型の違いがあるのか解析を行っており、今後学術論文で結果を公表する予定である。また博士研究員Muellerは、2016年11月13から2017年1月21まで、Instituto de Biologia de Organismos Marinos, Flavio Quintana博士との国際共同研究を進展させるため、アルゼンチンのパタゴニア海岸で海鳥とペンギンを対象とした実験を実施した。この実験では、GPS、カメラ、加速度計、心電図計などを搭載したロガーを装着し、採餌行動を比較した。 更に、来年度実施する国際コンペティションの準備を開始した。計画班員の依田が持つナビゲーションデータを題材とし、移動軌跡から海鳥の雌雄を弁別するコンペティションの枠組みを整備した。更に、来年度の実施に向けて、採択率が低く、国際的に評価の高いNIPS(Neural Information processing systems)会議のコンペティションに挑戦したが、採択には至らなかった。来年度は、これらの経験を活かし、国際コンペティションを運営する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
国際コンペティション:本領域が運営する第1回国際コンペティションを開催する。すでに国内外で類似のコンペティションを開催した経験を持つA02データ科学チームの玉木が中心となり、同じくA02データ科学チームの竹内と前川がサポートする形で運営する。具体的には、計画班員の依田らが計測したナビゲーションデータから作製したベンチマークデータを活用し、移動軌跡から海鳥の雌雄を弁別する性能を評価し、順位を決定する。 海外渡航支援、相互派遣:前年度に引き続き、海外渡航と相互派遣についての支援を継続する。前年度の審査過程を踏まえ、複数回の募集を実施する。また、本年度から加わる公募班員からの応募も推奨し、国際的なナビゲーション研究の取り組みを推進する。 国際的に評価の高い海外研究者の招聘:ナビゲーション研究を国際的に牽引する若手研究者を招聘し、共同研究に発展させ、国際的な研究情勢などを把握するとともに、本領域の国際的なプレゼンスを高める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定通りの執行であり問題ない。
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次年度使用額の使用計画 |
少額であるが有効利用する。
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