研究領域 | 新光合成:光エネルギー変換システムの再最適化 |
研究課題/領域番号 |
16K21737
|
研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
皆川 純 基礎生物学研究所, 環境光生物学研究部門, 教授 (80280725)
|
研究分担者 |
高橋 裕一郎 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (50183447)
鹿内 利治 京都大学, 理学研究科, 教授 (70273852)
|
研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
|
キーワード | 光合成 / 葉緑体 / レドックス / C4 |
研究実績の概要 |
若手・中堅研究者の海外派遣事業に関して,1~3か月滞在して行う短中期滞在型共同研究6件及びゴードン会議での国際的研究発表4件に加え,国際学会での研究発表12件も本国際活動支援班の対象に含めることとなった。その結果,派遣実績は大幅に増加し,22名もの活発な派遣が行われた。 外国人研究者の招聘事業に関しては,国際共同研究,チューター,ワークショップのために6名(内,1-2か月の滞在を伴う共同研究3名)を招聘した。またシニア研究者による日本の若手研究者へのチューターでは全て英語で研究のプレゼン及び議論を行うプログラムを実施し,海外でも通用する能力の養成を進めた。ワークショップでは最新の実験技術の普及を目的に1件行った。 国際研究集会の開催に関しては第6回国際ワークショップとして,「日米二国間セミナー」(京都)を開催した。米国からは8人の博士をスピーカーとして招聘し,ポスターセッションも行うことによって,日本側の若手研究者を含め,密接な情報交換を行うことができた。また海外から4名の講演者を招聘し第7回目の国際ワークショップとしてシンポジウム「Dynamic photosynthetic response to fluctuating light」を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若手・中堅研究者の海外派遣事業に関しては、22名を派遣した(英国6名、米国6名、ロシア1名、スペイン3名、中国4名、フランス1名、ポルトガル・チェコ1名)。その内、協同研究が6件(英国4名、フランス1名、チェコ・ポルトガル1名)、ゴードン会議での研究発表が4件、国際会議での研究発表が12件であった。研究成果を国際的に発信すると共に、国際協同研究を推進し、今後の研究の進展に大きく貢献した。 外国人研究者の招へい事業に関しては、6名を招へいした(ドイツ3名、英国1名、スエーデン1名、スイス・中国1名)。その内、若手研究者との協同研究が3件(東京、岡崎、岡山)、国内の若手研究者へのチューターが2件(東京、埼玉、静岡、京都、大阪、岡山)、ワークショップが1件(岡山、京都)であった。招へい研究者によるセミナーは必ず開催し、最新の研究成果の情報交換を行った。チューターにより国内の若手研究者が自分の研究成果を英語でプレゼンしたり議論したりする機会を得た。ワークショップは岡山と京都でCRISPR/cas9のデモンストレーションを行い、今後の研究に遺伝子改変技術を用いることを可能にした。第6回国際ワークショップは、10月に京都にて日米二国間セミナーとして開催した。米国より8名の研究者を招聘し、日本側の講演者も含めて24題の口頭発表と25題のポスター発表が行われた。参加者は68名で、両国の持続的な関係維持を目指し、若手研究者を積極的に取り込んだ。この二国間会議を継続し次回は2021年に米国で開催することを決定した。また3月の日本植物生理学会において、海外から4名の研究者を招へいする国際シンポジウムを企画したが、新型コロナウィルス感染拡大により学会自体が中止になった。しかし、年会委員会により講演要旨に記載された研究成果を発表とみなすとの決定がなされた。
|
今後の研究の推進方策 |
若手研究者の海外派遣,外国人研究者の招へい,チューターを本年度に引き続き進める。ただし予定されていた関連分野の国際会議が新型コロナウイルスの影響により延期されているため,少なくとも2020年度の前半は派遣と招へいは難しい状況となることが予想されている。状況が改善し次第,共同研究とチューターを中心に活動を再び実施する予定である。そのためにも海外の研究グループとの研究打ち合わせなどはオンラインで継続的に行うことを求めていく。 2020年11月10日より3日間,神戸において第3回国際シンポジウム「International Symposium on Photosynthesis and Chloroplast Regulation」を開催予定である。既に19名の海外からの招へい講演者から参加の内諾が得られている。また新型コロナウィルス感染拡大のためオンライン開催となった2020年9月の日本植物学会では、国際シンポジウム「Regulation of cyclic election flow, A to Z」を開催する予定である。次年度以降の予定としては、2019年度に行った日米二国間セミナーを継続的に行うことが決定しており,Kevin Redding博士と浅井智広博士を代表として2021年度に次回の日米二国間セミナーを米国で開催する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度には、ほぼ当初予定通りの基金額を使用する予定であり、予定外の事態は生じていない。令和2年度も国内研究者の海外派遣事業、外国人研究者の招へい事業、国際会議(ワークショップ、シンポジウム等)の開催事業等の国際連携事業を計画に沿って進める。
|