国際活動支援班
生体内のシグナル伝達は、活性化・不活性化による単純な一次線形反応ではなく、複雑かつ時空間的に動的な高次非線形反応であり、多数の分子からなる巨大な情報伝達ネットワークによって制御されている。シグナル伝達に関する多様かつ膨大な情報を統合して、細胞や人体をシステムとして理解するには、コンピュータ科学や数学的理論解析を活用したアプローチが必要不可欠であるが、この様な学際的研究体制の構築は、我が国では未だ不完全であり、早急に整備する必要がある。国際活動支援班では、この状況を打開すると共に国際連携を推進するため、世界的に評価の高い数理医学・生物学研究機関である米国ヴァンダービルト大学、英国セントアンドリューズ大学、仏国INRIAボルドー南西研究センターとの4カ国交流を中心に、各国の先進的研究機関との連携体制を構築し、国際共同研究や人材交流を深化させる活動を行った。具体的には、1)米国ヴァンダービルト大学において、4か国の研究拠点から中核となる研究者が参加して2日間の合同セミナーを開催し、研究報告と研究討論を行った。2)日本癌学会の数理腫瘍学のセッションに合わせてヴァンダービルト大学教授を招聘し、相互に研究報告を行った。3)仏国INRIAボルドー南西研究センター教授が来日し、拡張モデルを用いた癌病態予測や数理モデルを臨床応用する方策を討論した。4)スエーデンで開催されたカロリンスカ研究所主催のCancer retreatに参加し、研究発表および討論を行った。5)この他、米国Cincinnati Children's Hospital Medical Centerや中国科学院、微生物研究所・生物物理研究所でセミナー等を実施した。また、6)領域の若手研究者・大学院生を米国細胞生物学や米国癌学会に派遣した。
2: おおむね順調に進展している
日米英仏の4カ国を中心に、本領域の研究者(若手を含む)と海外の第一線の研究者との学術・人材交流が積極的に行われ、各国の先進的研究機関との共同研究や国際交流が進展した。
今後も米国ヴァンダービルト大学、英国セントアンドリューズ大学、仏国INRIAボルドー南西研究センターとの4カ国交流を中心に、各国の先進的研究機関との連携体制を強化し、共同研究および人材交流を深化させて行く。
次年度以降に計画している領域主催の国際イベント(国際シンポジウムや研究者派遣・招聘など)に相当な支出が予想されるため、今年度は国際共同研究支援班としての使用をある程度控えざるを得なかった。
国際シンポジウムの開催、および国際共同研究に必要な研究者派遣・招聘の費用として5年間を通して計画的に使用させて頂く。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 4件、 招待講演 9件) 備考 (1件)
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巻: 7 ページ: -
10.1038/ncomms10252
Cancer Res
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http://math-signal.umin.jp/