研究領域 | 太陽地球圏環境予測:我々が生きる宇宙の理解とその変動に対応する社会基盤の形成 |
研究課題/領域番号 |
15H05812
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
草野 完也 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (70183796)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 宇宙天気 / 宇宙気候 / 太陽フレア / コロナ質量放出 / 磁気嵐 / 宇宙嵐 / 気候変動 / 太陽周期 |
研究実績の概要 |
研究期間の中間年度であることから、研究計画の中間評価の対応と後半に向けた研究計画の点検作業などを進め、領域全体の研究をスムーズに進めるため以下の活動を実施した。(1)文部科学省に対する中間評価のとりまとめとヒアリングを行い、A評価を得た。(2)定期的な総括班会議を開催すると共に、年度末(2018年3月29~30日)に構成員全員が集まる領域会議を開き、研究成果と今後の課題を議論した。また、評価担当者及び領域外の専門家による評価チームによる年度評価を行い、課題の明確化に務めた。(3)ホームページ(http://www.pstep.jp)を通して研究成果を広く発信する活動を進めた。特に、PSTEP Science Nuggetsのページを通して、最新の論文成果を日本語と英語で分かりやすく発信した。(4)非専門家を対象として研究成果を分かりやすく伝えるために、PSTEPニュースレターを年4回発行した。(5)全国20の関連機関をインターネットで繋いだPSTEPセミナーを毎月実施し、分野を超えた交流と議論を展開した。(6)2018年5月16~18日にNICTにて第3回PSTEP国際シンポジウムPSTEP-3を開催し、15名の外国人参加者を含む71名が積極的な議論を展開した。(7)サマースクールの準備:2017年7月30日~8月4日に北海道陸別町でPSTEPサマースクールを開催し、全国から100名の大学院生などが参加し、分野を超えた研修と議論を行なった。(8)A01班と協力し宇宙天気に関係する産業界との連携を強化するため、宇宙天気ユーザー協議会を開催した。(9)ベルギー・オステンド市で2017年11月26日~12月2日に開催された欧州宇宙天気会議で独自のセッションを実施した。また、米国、アジア地域での国際会議、ワークショップを利用して研究の国際展開を拡大した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)文部科学省による中間評価でA評価を得ることができ、「期待通りの進展が認められる」と評価いただいた。(2)領域会議と総括班会議を通して領域全体の計画を遂行するための体制を強化すると共に、研究班にまたがって課題ごとに活動するタスクフォースの活動が進んだ。これによって、例えば電力会社と協力した地磁気誘導電流のリアルタイム観測を発展させるなど連携研究の成果を拡大することができた。(3)北海道陸別市においてPSTEPサマースクールを開催し、組織と分野を超えて、全国の大学院生約100名が参加し、活発な議論を展開できた。(4)ホームページ、ニュースレター(年4回発行)を通して、積極的な情報発信を進めることができた。(5)公募研究と計画研究の連携を進めるとともに、大学院生(博士課程後期)と30歳までの若手研究者を対象とした若手支援を実施し、研究成果を拡大することができた。(5)毎月のPSTEPセミナーをインターネットを利用して定期開催すると共に、関係者全員が参加する領域会議を実施し、領域全体の情報交換を円滑に行うことができた。(6)第3回国際シンポジウムPSTEP-3を成功させ、国際的な宇宙天気予報研究の情報交換とPSTEPの成果の情報発信を積極的に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は本領域研究の後半に位置するため、前半の成果を十分にとりまとめ、以下の活動をそれぞれ進めることで、最終目的の達成に向けた研究を着実に進める。(1)分野を横断した領域全体の研究成果の推進:基礎研究と予報運用の相互貢献、太陽・太陽圏・地球・社会インフラからなる各プロセスの要素研究の融合促進を進める。(2)公募研究と計画研究の連携:第2期公募研究と計画研究の連携を促進するため、共通する課題ごとに研究班を超えたタスクフォースを組織し、活動を強化する。(3)広報活動:WEBによる情報発信とニュースレターの発行を継続し、分かりやすい研究成果の公開に努める。(4)若手支援:大学院生と若手研究者を対象とした若手支援事業を昨年に引き続いて実施し、新たな研究成果の創出を促す。特に、若手研究者の国際共同研究を促進する。(5)産学連携の推進:電力、航空など宇宙天気に関連する産業界との連携を強化する。そのため、宇宙天気ユーザー・フォーラムを開催する。(7)国際連携の強化:European Space Weather Weekにおいて独自のセッションを企画・実施すると共に、IAU、AOSWA、AGUなどの国際会議を通して積極的に情報発信し、各国の研究拠点及び国際組織との連携を強化する。(8)自己評価:領域会議などを通して領域としての自己評価を行い、課題を明確化することで最終年度に向けた研究を加速させる。
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