研究領域 | 共鳴誘導で革新するバイオイメージング |
研究課題/領域番号 |
15H05947
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
宮脇 敦史 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (80251445)
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研究分担者 |
今村 健志 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (70264421)
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, チームリーダー (00261206)
曽我 公平 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 教授 (50272399)
神谷 真子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90596462)
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研究期間 (年度) |
2015-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | バイオイメージング / 蛍光・発光たんぱく質 / 蛍光色素 / 多光子顕微鏡 / 画像処理 |
研究実績の概要 |
<学会等とのリンク>4つの学会(バイオイメージングインフォマティクス2016、第35回日本医用工学会、第54回日本生物物理学会年会、先端バイオイメージング支援プラットフォームなど)と共催した。これらの学会等では、総括班と公募班が協力し合い、シンポジウムを行った。研究者向けに本領域の活動を発信した。第35回日本医用工学会の様子は病院新聞(7月14日発行4面)でも取り上げられた。精密工学会外観検査アルゴリズムコンテストでは、コンテスト素材として本領域宮脇班の細胞周期を可視化する動画が採用された。レゾナンスバイオ賞を設け、公募班を含む班員が審査員として参加した。想定以上の応募数(全78件)と質の高いアルゴリズムが集まった。1位と2位を受賞したグループには、今後、班会議等で発表してもらう予定である。 <若手育成>若手研究員中心の会を2016年10月東京理科大学で行った。今後、国際基金活動と連携し、英語での発表と国際連携に力を入れていく。 <アウトリーチ>統括班宮脇敦史による高校生向けのアウトリーチを8月に開催した(@和光)。12月に公募班口丸高弘と統括班下薗哲、1月に統括班上村真生による一般向けアウトリーチをサイエンスバーで行った(@四谷)。 <領域運営>統括班の事務、ウェブサイトの作成・管理、アウトリーチの企画・運営等は、主に理化学研究所 宮脇班の櫻井紘子が担当している。ウェブサイトリニューアルに際しては、ウェブサイト管理会社セキ印刷との打ち合わせを2回行った(@松山)。次回、台湾(台北)Academia Sinicaとの若手の会を開催するにあたり、Academia Sinica Dr. Wei Yuan Yangとの打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、学会共催シンポジウム、アルゴリズムコンテスト、若手の会などを着実に開催した。当領域の理念どおり、色素、光学顕微鏡、ソフトウエア、サンプル調製技術などをまたぐ共同研究を刺激する場を提供できたと思われる。2016年7月には計画班、公募班を含む班会議を2日間にわたって行い、情報交換を活発に行った。 「大容量多次元データ可視化解析ソフトウエア」の開発および整備は、昨今のバイオイメージング分野における大きな課題である。より高精細に(高解像度で)、より広く、より深く、より速く、より長く、画像を取得する要求・要望が膨れ上がるにつれ、画像データの容量が急激に増大しつつある。1回の実験のデータ容量が数十ギガバイトからテラバイトに及ぶことも希ではなくなった。本領域における共通課題のひとつに「ズームイン・ズームアウト」を挙げたが、まさにこうした現状を考慮したものである。当領域は「透明化技術による大規模三次元再構築」に関する技術開発を行っており、2Dから3Dへの次元拡張に真剣に取り組んでいる。すなわち、従来の薄片を用いた2D観察から、厚いスライス、組織や個体の特定構造を丸ごと標識し透明化したサンプルの撮影やデータ立体再構築等、3D観察技術の開発を実践的に行っている。領域内外の数多くの研究室からサンプルを預かり、丸ごとの透明化および抗体染色、3D画像取得、3D画像解析を行っている。現在のところ、3D再構築に際しての必須の要素技術としてタイリングが挙げられる。2Dタイリングと異なり3Dタイリングは、隣り合う3D画像データ間のstitching機能に関して多くの難問を抱えている。本領域ではまず、我々独自のstitchingアルゴリズムの開発を行うため、3D stitchingに関して世界に先駆けてソフトウエアを開発、製品化したArivis社のVision4Dを購入した。
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今後の研究の推進方策 |
<班会議>領域班全体でニーズとシーズのアンケートを行った。この結果を2017年5月の班会議で報告する。班員同士の活発な議論を推進し、共同研究や融合研究が生まれることを狙う。班員のための光学顕微鏡講習会を光学顕微鏡会社と共催して行う。5月に北大のニコンセンターで、8月に理研和光のBOCC(BSI Olympus Collaboration Center)で行う予定である。初級者から上級者までを対象とし、理論と実践とを往来しながら基本光学系を深く理解する内容を計画している。バイオイメージング技術の一層の向上と普及を目指す。 <学会等とのリンク>日本細胞生物学会、理科大シンポジウム、日本動物工学会などと共催が決まっている。精密工学会外観検査アルゴリズムコンテスト平成29年度においては、本領域根本班の画像データが解析対象に決まった。さらに、異分野との学会活動とのリンクも積極的に進めていく予定である。 <若手育成>国際基金活動と連携し、台湾Academia SinicaとのJoint Meeting on Bioimaging for Young Researchersを行う。 <アウトリーチ>一般向けのアウトリーチとして、理化学研究所脳科学総合研究センターと共催し、統括班宮脇敦史と異分野の人との対談イベントを行う。また、様々な社会的あるいは教育的イベントとのリンクも考えながら、学際的なアウトリーチを企画していく。 <領域運営>昨年度、領域ウェブサイトのリニューアルを行った。現在のコンテンツに追加して、画像データのGallery欄を設け、引き続き内容の充実を図っていく。
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