総括班
本領域では、染色体の3次元構造の再構築と4次元情報の取得を通じて、染色体機能の調和の仕組み(染色体オーケストレーションシステム)を理解することを目指している。今年度は、1)連携研究の促進として互いの情報と技術を生かした多くの共同研究を実施した(下記参照)。2)総括班会議と班会議の開催を2015年10月と2016年3月に開催し、研究者間での進捗状況報告や情報交換等を行った。3)広報活動としてHPの開設と整備を行い、論文採録の情報の発信、セミナー情報の公開、班会議の報告等を常に行い、積極的に情報発信を行った。また、公募班員の募集も同時に行った。4)アウトリーチ活動として、高校生向けに研究室訪問の受け入れ及び出前授業を行った。連携研究として特筆すべきものは以下の通り。岡田-平野:平野が調整したヒストンシャペロン(ヌクレオプラスミン)を用いることにより、マウス精子核中に残存するヒストンの種類と結合部位を同定する方法を確立。平野-大杉:染色体構築の普遍的なメカニズムを探り、マウス精子核をカエル卵抽出液に導入、あるいはカエル精子核をマウス卵に顕微注入することにより、それぞれに特徴的な形態変化を追跡。深川-平野:モデル化染色体作成に向けて、in vitroで作成された染色体へセントロメア集合の準備を開始。深川-伊藤:セントロメアクロマチンの4D解析に向けて共同研究を開始。白髭-永江-伊藤:ChIA-PET、Hi-C情報解析基盤の構築に向けて共同研究を開始。今井-白髭:エピゲノム解析に向けて共同研究を開始。今井-篠原:生化学による解析の共同研究を開始。岩崎-伊藤:S.pombe h90株のゲノムシーケンスを決定。Swi2のChIP-Seqを行い、Cryptococcus liquefaciens 株2種のゲノムシーケンスを決定。広田-石井:酵母細胞アッセイで新規同定した異数体特異的発現遺伝子セットのヒト相同遺伝子群の検索と解析、ヒト細胞における染色体異数体化の作用機序解析の基盤整備。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の計画通りに成果を上げつつ順調に進んでいる。連携研究が数多くなされていること、国際会議の開催、国際共同研究を行っている海外研究者によるセミナー講演の積極的開催、ホームページ上での活動報告など、活発に領域研究を展開できた。さらに、高校生向け授業も8回行い、一般の国民に向けて情報発信を行うことが出来た。
当初、計画通り進めていく予定である。今後は公募班の研究者との会議開催や、海外での国際会議も予定している。これらにより国際的な情報交換や意見交換を積極的に行う。さらに、国際的共同研究の糸口を作っていく。
海外評価委員の先生方に国際班会議について評価を頂いた。http://www.chromosomeos.com/cgi-bin/wp/wp-content/uploads/2016/03/報告.pdf
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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