総括班
本領域では、染色体の3次元構造の再構築と4次元情報の取得を通じて、染色体機能の調和の仕組み(染色体オーケストレーションシステム)を理解することを目指している。今年度は昨年度に引き続き、1)連携研究の促進として互いの情報と技術を生かした多くの共同研究を実施した(下記参照)。2)総括班会議と国際班会議の開催を2016年7月と2017年2月に開催し、研究者間での進捗状況報告や情報交換等を行った。特に2017年2月はイギリスロンドンにて班会議を初めて行うことができた。3)広報活動としてHPの更新は、論文採録の情報の発信、セミナー情報の公開、班会議の報告、サイエンスカフェの告知等を常に行い、積極的に情報発信を行った。また、公募班員も新たに加わり、研究推進を進めていった。4)アウトリーチ活動として、昨年同様高校生向けに研究室訪問の受け入れ及び出前授業を行った。また本年度は初めての試みとしてサイエンスカフェを開催した。連携研究として特筆すべきものは以下の通り。平野・大杉-岡田:平野が調整したヒストンシャペロン(ヌクレオプラスミン)を用い、大杉との技術提携によって、マウス精子核中に残存するヒストンの種類と結合部位を同定する方法を確立。篠原‐岡田:篠原が酵母で見出した現象をマウス生殖細胞で確認するために、マウス生殖細胞への遺伝子導入やex vivo培養などの技術提携を行った。深川-平野:モデル化染色体作成に向けて、in-vitroで作成された染色体へセントロメア集合の研究を展開中。今井‐篠原:生化学による解析の共同研究を展開中。伊藤ー深川:深川らが構築したネオセントロメアを含む細胞株を用いて、伊藤と共同で4D解析を行い、セントロメアクロマチンと結合するゲノム部位の特定を行った。今井-白髭:Hi-C、白髭-伊藤-中井:Hi-C解析技法についての共同研究を、白髭-広田:M期における染色体高次構造の研究を展開中である。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通りに成果を上げつつ順調に進んでいる。理由としては、連携研究が数多くなされていること、国際班会議の開催、国際共同研究を行っている海外研究者によるセミナー講演の積極的開催、HP上での活動報告、アウトリーチ活動の一つとしてサイエンスカフェの開催など、活発に領域研究を展開し、それと同時に一般の国民に向けて情報発信を行うことが出来た。
当初の計画通り進めていく予定である。今後は、6月には国際会議の開催、9月には班会議を開催所定であり、引き続き、国際的な情報交換や意見交換を積極的に行う予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
J Exp Med.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1084/jem.20161517.
Sci Rep.
巻: 7 ページ: 46228
10.1038/srep46228.
Methods Mol Biol.
巻: 1515 ページ: 257-271.
Brief Bioinform.
巻: 18(2) ページ: 279-290.
10.1093/bib/bbw023.
Oncotarget.
巻: 7(42) ページ: 67934-67947.
10.18632/oncotarget.11982.
Mol Cell.
巻: 63(3) ページ: 347-8
10.1016/j.molcel.2016.07.017.
J Biol Chem.
巻: 291(33) ページ: 17228-46.
10.1074/jbc.M116.727438.
http://www.chromosomeos.com/