| 研究領域 | パレオアジア文化史学ーアジア新人文化形成プロセスの総合的研究 |
|---|
| 研究課題/領域番号 |
16H06407
|
|---|
| 研究機関 | 東京大学 |
|---|
研究代表者 |
西秋 良宏 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
|
|---|
| 研究分担者 |
近藤 康久 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (90599226)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
|
| キーワード | 国際共同研究 / アジア海外学術 / 考古学 / 人類学 / 環境史 |
|---|
| 研究実績の概要 |
約20 万年前頃のアフリカ大陸で誕生したホモ・サピエンス（新人）は、10～5万年前頃以降、ユーラシア各地へと拡散し、先住者たる旧人たちと交替した。本領域は、絶滅人類が生息していた頃のアジアにおいて、新人がいつ、どのように拡散し定着したかを文化史的観点から論じることを目的としている。総括班は全体目標を達成するため、各計画研究班による個別研究、連携研究を有効に進展させ、その成果としてパレオアジア文化史学を内外に提示することを目的とする。この目的にそって、本年度は、次の研究を実践した。
(1)連携研究の企画、推進。平成28年の10月、29年の2月に研究大会を開催し、領域構成員の研究の進捗状況報告、意見交換、連携研究立案の場を提供した。各大会においては海外研究者をまじえた国際セミナー、ワークショップをも主催し、共同研究や意見交換の場とした。
(2)共用データベース構築。計画研究A01が構築するパレオアジア・データベースにはアジアにおける新人拡散研究に関係する遺跡の出土物、化石人骨、年代などの基本情報が格納される。これを領域全体で共有できるプラットフォームを構築した。
(3)研究成果の総括、発信。ホームページで研究大会、シンポジウムなどの案内をおこなったほか、内外のパレオアジア関連研究者のネットワークを形成し、領域の成果物を配布した。冊子は『PaleoAsia Project Series』として、全部で7巻（A4版、平均77頁、うち2巻は和英）刊行した。また、全ページをホームページにも掲載しニューズレターのような役割とした。
(4)連絡調整。総括班会議を評価担当委員をまじえて全部で4回、開催し、各研究項目、連携研究の進捗状況を点検・評価、研究の調整、指導を実施した。連絡調整の推進にあたっては領域内限定のSNSを開設し、運用した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
総括班として当初計画した研究項目、すなわち、連携研究の企画・推進、遺跡データベースの共用、研究成果の総括・発信、連絡調整等、全てを達成することができた。ただし、共用データベースの入力項目を東アジア旧石器遺跡に適合する仕様に設計する作業が若干遅れたため、その領域内公開が次年度6月にずれこんだ。この点を除けば、満足すべき成果が得られたものと考える。なお、共用データベースには遺跡の時代、位置情報が搭載されており、これを利用することで遺跡分布と環境情報との対応など融合的な連携研究をすすめる素地が整ったことになる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本研究は順調に進んでいるため、次年度以降も、さらに内容を深化、発展させるべく、各計画研究を協力に指導、領導していく。特に重点をおくのは、各計画研究の融合である。本領域は野外調査にもとづく考古学、人類学、古環境的研究（A）に加え、文化人類学、現象数理学という理論研究（B）にも同等の力点をおき、両者を融合させることに独自性をもつ。この点を強く意識し、元来、別個の分野の研究（者）が連携できるよう活動を推進していく所存である。
|
| 備考 |
その他、領域代表者西秋のホームページに上記をリンクしている。http://www.um.u-tokyo.ac.jp/people/faculty_nishiaki.html
|
