研究領域 | スロー地震学 |
研究課題/領域番号 |
16H06472
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小原 一成 東京大学, 地震研究所, 教授 (40462501)
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研究分担者 |
廣瀬 仁 神戸大学, 都市安全研究センター, 准教授 (00465965)
波多野 恭弘 大阪大学, 理学研究科, 教授 (20360414)
氏家 恒太郎 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40359188)
望月 公廣 東京大学, 地震研究所, 准教授 (80292861)
井出 哲 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90292713)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 固体地球惑星物理学 / 地質学 / 非平衡・非線形物理 / 沈み込み帯 / 地震 |
研究実績の概要 |
事務局専任の学術支援専門職員を雇用し、本領域研究全体のマネジメント・連絡調整を行った。年度内に班長会議を5回、総括班会議を2回開催し、領域運営方針の策定・確認、情報共有・交換、計画研究間の連絡・調整、各種研究推進活動の企画検討・実施を行った。 領域内wikiの随時更新、月刊メールニュース「うさぎとかめ」の配信により、様々な情報共有を実施した。領域外へは、公式ウェブサイト(日英)、SNS等を用い、学会・集会等の領域活動に関する情報を発信した。ニュースレター第4号日本語版と英語版を年度内に公開した。国内外における一般向け研究アウトリーチとして作成してきたリーフレット(日・英語版)のスペイン語版を、チリ押しかけワークショップ用に作成した。 海外研究者に向けて本領域の研究活動に関する国際的周知を図るため、2019年4月にウィーンで開催されたEGU2019にて、ニュースレター英語版を配布したとともに、翌年度のEGU2020 でも配布のための準備を行った。 2019年9月21~23日に宮城県仙台市において、東大地震研及び京大防災研共同利用研究集会、東北大学大学院理学研究科と合同で領域研究集会を開催し、領域内外から141名(うち外国人研究者18名)が参加した。 日本地球惑星科学連合(JpGU)2019において、スロー地震学関連セッションの企画・開催、ブース出展を行った。研究集会招待講演者による特別セミナー・スロー地震カフェを、東北大・大阪大等で合計5回開催した。「若手異分野交流会」を2回開催し、若手研究者間の活発な交流・意見交換を促進した。JpGUブースやリーフレット作成等で学生アルバイトを雇用し、領域の研究に対する知識を深めることに貢献した。国内外のスロー地震カタログを集約して本領域で構築しているスロー地震データベースへのアクセス数は2019年度で6525、地図表示リクエスト数は11882であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
領域研究集会では多様な研究分野から発表があり、分野融合につながる議論が活発に行われた。東大地震研、京大防災研の共同利用制度、東北大学大学院理学研究科、仙台国際観光協会の支援を受け、組織的な研究推進体制を構築した。託児支援を実施し、若手研究者の研究活動支援に貢献した。 JpGU2019ではブースを出展して、その説明要員として領域内の学生をアルバイトとして雇用し、学生のスロー地震理解の深化ならびに領域内外、国内外の研究者との交流に貢献した。 ニュースレターを予定通り発行したとともに、一般向けにスロー地震を説明するリーフレットのスペイン語版を南米の留学生の協力を得て完成させるなど、領域の研究を国内外の研究者・一般市民に理解浸透させることを目的とした印刷物を作成した。 集会予定・開催報告などの新着情報を、公式ウェブサイトやSNSを用いて随時発信する体制を確立し、円滑に運用している。2020年4月時点で、Facebookのフォロワー数は104人、Twitterのフォロワー数は247人である。領域内wikiや、領域全体・各研究計画班・学生のメーリングリストの活用により、領域内の情報伝達・共有を円滑に実施し、前年度開始した月刊メールニュースの配信も領域内情報伝達に役立っている。 初年度に開始したカジュアルな科学セミナー「スロー地震カフェ」は、2019年度は東大地震研、JAMSTEC、大阪大でそれぞれ1回ずつ開催し、領域内外から延べ49人の参加があった。若手異分野交流会は2回開催し、1回はセミナー方式、他1回は一泊二日の合宿形式でグループワークを行った。学生を含む延べ35人の若手研究者が議論を交わす場を提供した。
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今後の研究の推進方策 |
本領域における研究活動推進や領域内外の円滑な研究交流のため、国際活動支援班・各計画研究の参加者、関連プロジェクトの研究者、海外のスロー地震研究者などとの連絡調整を行う。総括班会議・班長会議を適宜開催し、総括班の活動状況・進捗の情報共有や活動方針の審議・決定を行うとともに、必要時に事務局会議を開催し、領域の運営に係る詳細な事項について検討・遂行する。領域研究集会は領域外研究者も参加可能とし、国際研究集会とすることで、領域内外および国内外の研究交流を活発化させ、領域の発展につなげる。スロー地震カフェなどの各種セミナー、若手異分野交流会などを随時開催し、領域の拡大をはかるとともに、班を超えた研究交流や分野融合の機会の提供を行う。会議・集会等の開催に当たっては、感染症への対応としてTV会議システムの活用なども含めて柔軟かつ積極的に実施する。 領域内wikiの随時更新、月刊メールニュースの配信を通して領域内での情報共有を円滑に行う。年1回ペースで、研究成果や活動の報告を日本語版、英語版のニュースレターにまとめ、ウェブサイト上に公開するとともに冊子版を学会、セミナーなどで配布し、領域研究の周知を図る。集大成として最終年度に成果集を作成し、5年間の研究成果を内外に知らせる。領域に関連した研究集会・学会などの情報を公式ウェブサイトやSNSでタイムリーに発信し、活発な広報活動を行う。 日本地球惑星科学連合をはじめとした学会におけるスロー地震関連特別セッションの企画提案を積極的に行い、これらのセッションを軸として本領域に関する議論を活発化させる。スロー地震に関する教科書を出版すべく、準備を進める。 スロー地震データベースに関しては、国内外、特に海外におけるスロー地震カタログの収集を進め、データベースとしての質・量を充実させるとともに、カタログのデータベース登録手法の効率化を図る。
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