研究領域 | ネオ・セルフの生成・機能・構造 |
研究課題/領域番号 |
16H06495
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 満 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 教授 (60221595)
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研究分担者 |
横須賀 忠 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10359599)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 免疫的自己 / 連携強化 |
研究実績の概要 |
自己免疫疾患は未だに原因不明の難病である。この課題に対し、令和元年度においても従来の「セルフ」対「ノン・セルフ」とは異なる「ネオ・セルフ」による免疫応答の実態解明とその定義付けを目指した。すなわち、様々な分野の研究者のアイデアとテクノロジーを融合することによって、このミッションを成し遂げることを目指した。また、自己免疫疾患、腫瘍免疫などへの臨床応用への分子基盤を構築することが本領域の目的でもあるので、その目標達成のために、今年度も総括班において、1. 領域内の有機的な連携を促進し(2件のサイトビジットを含む)、さらには学問的な将来性を見据えて、2. 若手研究者の育成(若手の会の開催)、3. 国際支援班と共に国際学術社会への「ネオ・セルフ」の発信を行うことがその責務であると考えた。そこで、総括班はミッション1.を達成するために、初年度のキックオフシンポジウム開催以来、年2回の総括班会議、年1回の全体班会議を開催して班員による学術集会の開催と情報共有を促している。また、技術供与の促進などを通じて共同研究のインキュベーターとなるべく活動を実施している。ミッション2.については、若手研究者が主体となって作り上げる「ネオ・セルフ若手の会」があり、毎回盛況であり、次世代研究者の育成に手応えを感じている(今年度は令和2年1月に開催)。ミッション3.では、これまでに延べ4人の海外著名研究室への派遣を通じて、「ネオ・セルフ」という概念の普及を通じ、我が国のプレゼンスを高めることに努めている。そのため、今年度においては令和元年6月に外国人演者1名を招いて全体班会議の機会に特別講演会を開催した。本領域のさらなる活性化に向けて、今後も総括班による研究者の連携強化を図ってゆく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いずれも総括班として一定の成果は得られたものと考えるが、引き続き、改善の余地があることも認識している。特に、計画班員間、あるいは計画班員と公募班員との領域内共同研究は公募班の成立とともに順調に始動しているが、公募班員間の共同研究を深め、我が国における免疫学研究全体の活性化に貢献するよう努める必要がある。また、昨年度に開催された中間評価での評価結果を受けて、「ネオ・セルフ」の概念をより明確にする必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの活動内容を基本として、以下の活動を継続して行う。 1. 総括班会議:少なくとも年に2度開催し、研究連携、研究マネジメント、成果発信などに関する企画・運営事項を決定し、領域研究の活性化を担う。2. 全体班会議:年1度開催し(現在のところ令和2年6月の開催を予定しているが、新型コロナウイルス蔓延のため、現時点では具体的開催内容は検討できていない)、口頭発表および若手分担研究者によるポスター発表等を通じて班員相互の情報交換と共同研究の実施をうながす。3. サイトビジット:領域内研究者相互の実際の研究を通じて、領域内共同研究の活性化を図るための支援を行う。4. 「ネオ・セルフ若手の会」:毎年の開催により、若手研究者自身が主体的に講演会を企画・主催し、人的・学術的交流を促進する。5. ホームページ・ニュースレターの作成:ホームページを通じて研究成果や班会議等の情報を公開するとともに、ニュースレターを配布し、班員の成果や意見を広く社会に情報発信する。6. 研究支援活動:ペプチド―MHC立体構造解析、ペプチド解 析、TCRレパートリー解析、ゲノム解析、1分子イメージング解析等の研究支援を行う。7. 国際活動支援:国外著名研究室への訪問(国際活動支援班との協力の元に実施する)、班員による国外研究所でのセミナー開催を通じて、本領域の国際的プレゼンスを確立する。8. アウトリーチ活動:わかりやすい言葉で、広く社会に活動内容をアピールし、本領域の活動内容についての理解を得るよう努める。
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