研究領域 | 共創的コミュニケーションのための言語進化学 |
研究課題/領域番号 |
17H06378
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡ノ谷 一夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30211121)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
|
キーワード | 言語起源 / 言語進化 / 階層性 / 意図共有 / コミュニケーション |
研究実績の概要 |
初年度である平成29年度には、5つの研究実施班から成る本領域の多角的・相互作用的な複合研究の始動に向けて、有機的な協働体制を築くための基盤の整備を行った。 まず、9月に京都・東京の2度に亘っての「領域立ち上げシンポジウム・公募説明会」を開催し、計150名を超す来場者に向けて領域全体の意義や指針を発表し、各計画班の最新の研究成果報告を通じて活発な意見交換が行われた。11月には国際フォーラムとして本領域の最初の学術集会でもある「京都言語進化学会議」を開催した。国際アドバイザリーボード・メンバーの講演も含め、全計画班より研究進捗状況・成果の報告が行われた。 初年度の締めくくりとして3月に開催された「第1回領域全体会議」には、全領域メンバーおよび関係者計76名が集い、各計画班の研究進捗状況や今後の方針説明、最新の研究成果報告、将来を担う若手研究者らの活発な研究発表と意見交換が行われた。また、班間連携を促進するための場を設けたことにより異分野交流による新たな研究の萌芽が見られた。これらの研究のうちいくつかは、すでに実際の共同研究に繋がっている。 若手育成の一環として、すでに一人目の海外派遣を実施した。北陸先端科学技術大学院大学の院生1名を派遣し、ケルン大学音楽学研究所においてヒト言語の再帰的結合能力に関する研究を現地研究者らと行い、新たな知見を得ることができた。 以上のように、本総括班は、海外活動の支援も含め、当初設定した目的に向けて順調な活動を進展させている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
広く研究成果や進捗状況を発信するための体制作りの一環として和・英ホームページ開設・運営の開始やSNSによる広範囲への領域活動の周知を図った。また、H30年度から加速される異分野協働による研究のためのプラットフォームを築き、若手研究者育成のための土壌整備など新学術領域創生の基盤は計画通り整えられた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は平成30~31年度の領域全体の目標である言語の生物進化・文化進化の統合理論の構築の初年度にあたり、5つの計画班に加えて公募研究班との分野横断的な協働体制を整える。また、海外の著名な研究者を招待講演者として迎えて開催する8月の国際シンポジウムを通じて最先端の研究動向と成果を世界に向けて発信するとともに、その内容を収録した英文論文集を刊行する予定である。
|
備考 |
総括班は研究を実施しないため発表業績につながることは少ない。
|