本研究領域は、マイクロ波、プラズマ物性、材料物性にまたがる学際領域を結合し、微視的な高温非平衡過程というマイクロ波固有のエネルギー経路を実験的に究明、蓄積したデータを説明する理論の構築とシミュレーション手法の開発をおこなうと共に工業化を推進するものである。 マイクロ波は、在来型の加熱の単なる代替え手段ではなく、微視的な強い非熱平衡系という物性学上の新しい領域にある。これまでの研究成果を受けて、マイクロ波励起・非平衡反応場という概念を創出し、その反応場における電磁波から物質へのエネルギー経路を究明する。そのエネルギーの物質内における緩和過程を明らかにする実験を行い、理論的説明を試みるとともにシミュレーション手法の開発を目指す。 学術的成果にとどまることなく、21世紀を担う新しい物材創成の手段としてマイクロ波の高度利用を推進し、産業へ展開させる。重工業では最も省エネルギー効果の大きい製鉄事業、ハイテク分野ではナノ・薄膜などの機能材料の革新的製造技術などである。 総括班は、基礎研究と応用研究の連携による正のスパイラルによって、さらに高度な成果が生み出されるように研究管理体制を整備し、この成果に柔軟に対応して適切に課題の拡大、必要な見直し等を行ってゆく。
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