総括班
H23年度は本特定領域研究の最終年度である。J-PARC加速器施設の地震からの復旧に伴い、3月に予定していた研究会に多数の研究協力者が参加できなくなったため、研究会を2012年7月に延期した。そのため、H23年度の予算をH24年度に繰り越した。本特定領域最後の研究会は、2012年7月6日から8日まで、奈良県吉野郡吉野町で開催した。参加者は58名(うち学生28名)で、成果発表が17件、ヒッグス粒子についての招待講演1件、各計画研究と全体の総括が6件あった。総括の結果をまとめると、どの実験グループも世界をリードする水準に立ち、従来知られていた知識を広範に拡げる結果を得た。クォーク混合に対しては、標準理論の小林・益川機構による記述が精密に検証され、予想以上に正確に成り立っていることが判明した。レプトン混合では、基礎的な物理定数であるニュートリノ混合角のうち、従来測定されていなかった最後の角度を初めて測定し、クォーク混合の理解に追いつく大きな一歩を印した。他の角度の精密測定も行い、荷電レプトンのフレーバー非保存の探索も新たな段階に進めた。これらの結果を総合して理論的解析を行った。このように、本特定領域研究は多面的にフレーバー物理を推進し、分野の発展に大きく貢献した。これらの本特定領域の意義や成果を研究者や国民に広く知ってもらうために、研究項目の説明、状況報告、講演会や研究会などをhttp://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~flavor/にまとめた。また、研究成果を国際会議で発表するための旅費をサポートした。
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http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~flavor/