本総括班は、Hype rSuprime-Cam(HSC)の製作を円滑に進めるための工程、予算の管理運営、及びハワイ観測所による「すばる戦略枠」を活かした超広域撮像銀河探査計画の策定、さらには広く国内外の研究者に呼びかけ、HSCによって取得されたデータを多様、多目的に活用するサイエンスの発展に寄与することを目的としている。運営においては当初よりHSCの開発研究を分担する各計画研究と主な製造業者との間で月例連絡会を設けており、その進捗報告と課題検討を開発工程に反映させてきた。またデータ処理のためのソフトウェア開発にあたる研究員を雇用した。研究会については平成23年8月8-11日にかけて共同研究機関であるプリンストン大学との共催にてこれを開催し、装置開発の進捗状況について報告するとともにダークエネルギーを始めとする最新の研究成果が多数発表され、また今後のサーベイ観測の推進体制についても有意義な議論が行われた。翌平成24年7月1-6日にはアムステルダムにて開催されたSPIE Astronomical Telescopes+Instrumentationにおいて「Subaru new wide field camera:Hyper Suprime-Cam」を始めとする7件の論文発表を行った。本装置を用いた観測研究に関しては2012年9月26-28日に国立天文台にて「すばるHSCサーベイによるサイエンス」研究会を開催し70名を超える参加者によってHSCによる大規模サーベイについて様々な角度から活発な研究発表が行われた。引き続き12月には愛媛大学においても同研究会が開催され、多数の海外からの参加者を含む60名によって三日間にわたりサイエンスの議論が行われた。このような実績によって来たるべきHSC科学観測によるサーベイの下地は十分に整えられたと考える。
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