研究領域 | シンギュラリティ生物学 |
研究課題/領域番号 |
18H05408
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 健治 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20311350)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | シンギュラリティ / 少数 / 特異点 / システム転換 / トランススケール |
研究実績の概要 |
【研究】以下1-7の技術的な研究を前年度に引き続き行った。1.画像からシンギュラリティ細胞を識別する特徴量を抽出する情報解析技術。2. ビッグデータから必要な情報を取り出す技術。3. 計画班、公募班で得られたビッグデータを統合するデータプラットフォーム。4. 網羅的細胞分取技術。5. 超高光度化学発光型指示薬。6. 蛍光・化学発光・光音響・ラマン以外のイメージングモダリティー探索。7. シンギュラリティ現象に関連する生物学的課題。 【AMATERAS開発】協働開発・共同研究拠点(大阪大学先導的学際研究機構超次元ライフサイズイメージング研究部門に設置)にて運用開始しているプロトタイプ機(AMATERAS1.0)を用いて、領域内外での連携による共同研究を推進し、計測グループ、生物グループ、情報解析グループの間での研究サイクルを効果的に進めることで、シンギュラリティ現象の発掘とその解明を試みた。また、AMATERAS1.0を利用した共同研究の過程で実験・解析上の課題・問題点を洗い出し、次号機の開発指針を設定した。 【領域運営】領域外の研究者にもAMATERAS1.0を開放して共同研究を推進するため、領域HPにて公募を行った。領域外領域内の交流としては、年2回の領域会議を開催するとともに、コロナ禍による研究交流頻度低下に対応するため、オンライン会議システムによる研究交流会を月1回開催し、加えてオンライン・サイトビジットを行った。そしてシンギュラリティ生物学の国内外への発信を目的に、領域ニュースレターを発行するとともに、第60回日本生体医工学会・第36回日本生体磁気学会合同大会で共催シンポジウム、第59回日本生物物理学会年会にて共催シンポジウム、パシフィケム2021にてシンポジウムを開催し、また「分子夾雑」「生命金属」「シンギュラリティ生物学」の三つの新学術領域合同での勉強会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
領域内交流:領域会議2回、Web交流会12回を開催し、いずれも領域メンバー間で活発な議論が繰り広げられ、各計画班研究、公募班研究の推進を図るとともに、領域内、領域間共同研究を推進することができた。またオンラインサイトビジットを実施し、永井代表と2名の計画班員及び希望メンバーが後期公募班員の研究についてじっくりと議論し、当領域メンバーがこれまで開発してきたAMATERASをはじめとするイメージング技術やツール、アイディアを、班員の研究計画に組み込んでもらうという点で、有意義な取り組みとなった。これは、シンギュラリティ生物学領域のビジョンを効果的に共有するために始めた取り組みの一つであったが、毎回 1 時間半では足りないくらい議論が白熱するなど、大変意義のある場となった。
情報発信:外部への発信を目的に、領域ニュースレターを発行するとともに、第60回日本生体医工学会・第36回日本生体磁気学会合同大会で共催シンポジウムを開催し、今後の連携を期待できるような活発な討論を行うことができ、第59回日本生物物理学会年会においても共催シンポジウムを開催した。また「分子夾雑」「生命金属」「シンギュラリティ生物学」の三つの新学術領域合同での勉強会を開催し、ここでも活発な議論を交わすことができた。2020年12月にPacifichem2020にて開催予定であった領域主催の国際シンポジウムが新型コロナの影響で中止となったが、2021年12月のPacifichem2021にて、ほぼ同じ発表者で国際シンポジウムを3日間にわたって開催し、国外の主要な研究者にも当領域のコンセプトを伝えることができた。
AMATERASの開発:AMATERAS1.0のさらなる機能改善を行い、領域メンバーのみならず、領域外の研究者にもAMATERAS1.0を開放して、共同研究を推進した。
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今後の研究の推進方策 |
【研究】2022年度は、以下1-7に関する技術的な研究を行う。 1. 画像からシンギュラリティ細胞を識別する特徴量を抽出する情報解析技術。2. ビッグデータから必要な情報を取り出す技術。3. 計画班、公募班で得られたビッグデータを統合するデータプラットフォーム。 4. 網羅的細胞分取技術。5. 超高光度化学発光型指示薬。6. 蛍光・化学発光・光音響・ラマン以外のイメージングモダリティー探索。7. シンギュラリティ現象に関連する生物学的課題 【AMATERAS開発】協働開発・共同研究拠点 (大阪大学先導的学際研究機構超次元ライフサイズイメージング研究部門に設置) にて既に運用しているトランススケールイメージング装置AMATERAS1号機2号機の利用を促進する。領域内での連携による開発・研究を強化し、計測グループ、生物グループ、情報解析グループの間での研究サイクルを効果的に進めることで、シンギュラリティ現象の発掘とその解明を行う。 【領域運営】AMATERASの領域内共用を促進するとともに、共用の過程で得られた実験・解析上の問題点をフィードバックして、シンギュラリティ生物学へのアプローチに相応しい装置へ改良を進める。領域内の連携、共同研究を強化するため前期に領域会議を開催し、また領域内交流としてオンライン研究交流会を毎月開催する。後期には領域の総括および成果を発信するためシンポジウム形式の集会を予定し、AMATERASの領域外共用の促進とシンギュラリティ生物学の方法論の周知をはかる。日本生物物理学会年会、日本分子生物学会などの学会にてシンポジウムを開催する。ニュースレターを発行する。
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