スピントロニクス研究の発展の中で「スピン流」と呼ばれる新たな物理概念が登場し、その重要性が近年強く認識されるようになった。スピン流は、磁化(磁気的信号)と電流/電圧(電気的信号)あるいは光(光学的信号)との間の相互変換・制御に関わる重要なキーワードである。 本特定領域では、スピン流の生成と消滅、そしてそれらを通して生じる物理的信号の変換・制御に関わる学理を確立し、新規なデバイス応用への可能性を探索することを目的としている。組織的な研究推進と効率的な目標達成のために、「A01スピン源の探索・創製」、「A02スピン流とナノヘテロ構造」、「A03スピン流と光物性」、「A04スピン流と電子物性」、「A05スピン流と機能・制御」の5つの研究項目を設定した。 総括班は本特定領域全体のコーディネータ的役割を果たし、研究動向の分析、全体戦略の策定、各研究項目間の連絡・調整、計画研究と公募研究の間の連絡・調整、成果のとりまとめと外部への発信などを行い、同時に研究推進上必要となる科学・技術上のアドバイスと研究成果の客観的な内部評価を行う。
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