研究概要 |
本特定研究領域では、トリチウム(T)と重水素(D)との核融合反応(DT反応)によりエネルギーを取り出す核融合炉を実現するため、Tが放射性である故に、その放射性安全を確保した上で、(1)炉内へのDとTの導入量を、核融合反応を継続するために制御しつつ供給すること、(2)それらを排気回収しTを分離・再利用すること、(3)ブランケットによりTを増殖回収、利用すること,さらには(4)そのようなシステムの構築あるいは制御を可能にするための計測技術を確立しエネルギー供給源として経済的にも成立する核融合炉建設を可能にすることを目ざす。このため、Tに関する研究を横断的かつ集中的に行い、Tに関する正しい理解に基づいた新しいトリチウム科学ともいうべき学問分野を打ち立てるとともに、トリチウムに対する正しい理解を社会に広めようとするものである。 総括班では、各計画研究班の研究成果を総括すると共に、全体像を明確にして道筋を決め、これを各班の研究に反映させる。また若手育成のための、横断的な研究会やシンポジウムを開催する。シンポジウム等への一般参加を増やす方法についても検討をおこない、試行/実行する。教科書あるいはトリチウムハンドリングマニュアル等を刊行し、学問としてトリチウム科学の完成を図る。 研究会、シンポジウム、国際会議等を開催し、成果の取りまとめると共に、各研究班の成果についての評価も行う。目標とする安全かつ経済的なトリチウム燃料システムの設計を視野に、必要な研究課題あるいは取得すべきデータ等を各研究班に提示し、研究のフィードバックを行う。また、核融合炉の社会受容性を高めるための啓蒙活動も行う。
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