研究概要 |
外来侵入因子と自己成分との識別は獲得免疫系の成立と維持における中心的事象であり、その失調や破綻はそれ自体でヒトの多彩で深刻な病態の発症にいたりうる。本特定領域研究の目的は、獲得免疫系における自己形成・識別ならびにその制御機構についての包括的パラダイムを確立するとともに、ヒトの免疫システムの制御のための新戦略の開発を推進し、これらの融合によって今日の多くのヒト免疫難病の制御と克服への強い社会的要請に応えることにある。このため、免疫基盤研究(A01),免疫病態研究(A02),ヒト免疫制御技術開発研究(A03)を3つの柱として計画研究者と公募研究者による領域研究を推進し、本総括班はこれらの特定領域研究活動全般を統括する組織として、各研究課題の連携と協同の促進(年2回の定例研究会議など)、広報活動(ホームページによる情報公開、国際シンポジウム開催、一般啓蒙活動など)、関連領域支援グループによる情報技術支援、研究活動の内部評価、などを行ってきた。平成19~20(10月現在)年度における本領域からの国際誌における原著論文(総説を含む)発表は432編におよび、各研究課題において大きな研究成果を挙げており、領域研究は予定通り順調に進んだものと考える。
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