本特定領域研究では、植物メリステムの形成と維持、メリステムの機能転換及びメリステムからの器官形成を支えている制御系を、転写因子、低分子RNA、新奇なペプチド性リガンド分子、クロマチン構造の変換に関わる因子などを基軸として研究する。さらに、これらの過程をより高次な立場から支配している制御系(統御系)を解明し、植物発生の包括的理解をめざす。また、この分野の次世代を担う若手研究者を養成する。本総括班では、以上のような目的を遂行するために、研究方針の策定、班員間の連絡と企画調整、国の内外の研究状況の調査・情報収集、シンポジウム等を行い、特定領域研究を推進することをめざしてきた。平成21年度は、この領域研究と班員間の有機的連携を発展させるために、7月29-8月1日に長野県大町市のレイクビュー白馬で94名の参加による「夏の研究会」を行った。また、10月8-10日には北海道支笏湖で若手ワークショップ(84名参加)を、11月24-25日には奈良先端大でシンポジウム「視る生物学」をNAIST植物科学研究教育事業と共催した。本年1月24-25日には東京大学で21年度の成果報告会を開催した。また、大町市と東大では、総括班会議を行ない、今年度の評価と来年度の領域研究について基本的な方針を討議した。領域研究の内容を広報し情報を交換するために、ニュースレター8-11号(11号は成果報告書)を発行した。さらに、ホームページの「論文紹介欄」や「新聞報道欄」及び「研究会の写真」を2回更新し、外部に対して研究と班活動の内容を公開してきた。
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