研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
19H05690
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10232282)
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研究分担者 |
河原 達也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00234104)
新保 史生 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20361355)
杉山 弘晃 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 主任研究員 (30742283)
港 隆史 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 石黒浩特別研究所, 客員研究員 (50359858)
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
東中 竜一郎 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 上席特別研究員 (90396151)
槇原 靖 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90403005)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 自律ロボット / 対話システム / 実証実験 / 行動決定モデル / 社会規範 |
研究実績の概要 |
令和2年度は計8回の総括班ミーティングを開催し,各研究班の研究進捗状況の確認,公開シンポジウムや領域会議等のイベント企画,グループ間の連携促進等を行った.2020年10月23日に,現地(大阪大学)+オンラインのハイブリッド形式で「対話知能学2020年度公開シンポジウム」 を開催し,石黒浩領域代表による領域概要説明と,4名の各計画研究班代表によるデモを交えた研究概要説明,カウンセリングの観点からのゲスト講演,「コロナ禍におけるロボット利用」というテーマのパネルディスカッションを行った. また,計3回の領域全体会議(いずれも非公開)を実施した.第1回(2020年6月19日,オンライン)は,新しく領域に参加した公募班メンバーによる研究課題紹介を中心に実施した.第2回(2020年8月17日,オンライン)は A01~A04の各班(計画班・公募班を含む)から各2名のメンバーが報告した.第3回(2021年3月15~16日,現地(京都メルパルク)+オンラインのハイブリッド形式)は,領域の全メンバーが研究の進捗を報告した.これらを通して,コロナ禍においても研究を進める方策と,コロナ禍で生じる課題に対話知能学を役立てる方法,メンバー間の連携の可能性等について議論を深めた.以上の他,大阪大学先導的学際研究機構附属共生知能システム研究センターが主催するThe 3rd International Symposium on Symbiotic Intelligent Systems(2020年11月19~20日)に協賛し,メンバーが発表を行った. 実証実験環境の整備の面では,日本科学未来館の研究エリアに,来館者を対象とした実証実験の実施拠点・研究ミーティングの拠点を構築した.また,社会的対話ロボットCommUのシステムをEXPOCITY Lab内で構築することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は,新型コロナウイルス蔓延のために生じた影響に対する是正措置として,オンラインによるものを含めた全体領域会議を当初予定より多く3 回(6月,8月,3月)開催し,新しく参加する公募研究班を含めた領域内の連携を促進した.また,公開シンポジウムを1回(10月)開催し,ゲスト講演により,カウンセリングの観点から本研究の妥当性を検証した.また,シティミーティングを開催する代わりに,日本科学未来館の科学コミュニケータの協力によるオンラインイベントを3回(7月,9月,1月)開催することによって,市民と積極的に連携し,社会の要望を調査を続けてきた.上記の取り組みを通じて,領域内連携および社会連携を強化した. 実証実験に関しては,「日本科学未来館」(東京都江東区)と「EXPOCITY」(大阪府吹田市)に実証実験のための環境を整備した.日本科学未来館には,来館者を対象とした実証実験の実施拠点,研究ミーティングの拠点を構築した.また,A02班を中心に取り組んだ対話ロボットコンペティションのための実験環境の準備にも取り組んだ.ららぽーとEXPOCITYにあるEXPOCITY Labに設置した旅行代理店の模擬店舗において,カウンターセールス役の対話ロボットアンドロイドと来客との対話を実施する上で必要なロボット制御システムの整備を行った.新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言のため,来客を対象とした実証実験は来年度に延期になったが,実験場所の構築は万全を期している. 以上から,第2年度に行うべき作業は十分に達成するとともに,第3年度に研究を促進させるため整備を進めることができたと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度以降は,2カ月に1回の頻度で総括班ミーティングを開催し,領域全体の研究方針の策定や,各研究グループの研究進捗状況の確認,各研究グループ間の連携の促進,等に努める.また,公募班を取り込みつつ研究代表者を中心にグループを越えた連携を深めるために,シンポジウム・全体会議を企画し,研究の進捗を相互に把握できるようにする. 実証実験に関しては,すでに実験環境を整えている「日本科学未来館」(東京都江東区)や「EXPOCITY」(大阪府吹田市)を用いた実証実験の計画を引き続き立案し,実施していく.コロナ禍においても実験が進められるように,バーチャルリアリティ空間において,CGのロボットを用いて対話実験が進められるように開発を進めている.また,Zoomなどの遠隔対話システムと,自律対話アンドロイドを組み合わせて,どこからでもアンドロイドを用いた対話実験が進められるように準備を整えていく予定である. また,実証実験から得られる成果をともに,グループ間の連携方法等を改善していく.さらに,A04班を中心に複数のグループにまたがり,日本科学未来館の科学コミュニケータの協力を得つつ,ロボット共生社会における法と技術に関わるオンラインイベントを2カ月に1回の頻度で開催することによって,領域内連携および社会連携を強力に促進していく予定である.
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