研究領域 | 全能性プログラム:デコーディングからデザインへ |
研究課題/領域番号 |
19H05749
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小倉 淳郎 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 室長 (20194524)
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研究分担者 |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20304066)
篠原 隆司 京都大学, 医学研究科, 教授 (30322770)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 全能性 / ゲノム再プログラム化 / 核移植クローン / 受精 / 胎盤 |
研究実績の概要 |
令和元年度は領域の発足と共に以下の活動を行った。 1) 領域研究の推進体制の構築:2つの研究計画グループからなる領域および計画研究の方針を確認した。11月21日-22日にキックオフシンポジウムを大阪大学 微生物病研究所の 谷口記念講堂にて開催した。121名の参加者による活発な討論が行われた。また、シンポジウム期間中に外部評価者および学術調査官を招いて班会議を行い、今後の領域の運営方針およびシンポジウムや評価等のスケジュールを確認した。なお、年度末に予定されたプログレス会議は、コロナウイルス感染による出張の自粛により中止した。それに替えて、各班員から論文発表や研究成果の情報を収集し、進展の状況を把握した。2) 領域ホームページ等の開設:事務局の阪大伊川研により領域ホームページを開催した。研究体制と計画班員のメンバーの陣容を発表すると共に、領域の成果をリアルタイムに領域内外の研究者へ広報する体制を構築した。令和元年度には、研究班員の責任著者によるPNAS、Dev Cell等に掲載された8報の優れた論文紹介を行うことができた。また、計画班員(代表者と分担者)および公募班員の間で情報交換を行うためのメーリングリストも開設した。3) 研究支援班:領域内における遺伝子改変マウスの作製支援、エピゲノム解析支援、顕微授精・クローン作製支援などの研究支援を開始した。支援グループには研究代表者・分担者から消耗品で支援を行った。4) 公募研究の決定:令和2年3月12日に新学術領域研究専門委員会が行われ、審査員8名(計画班員3名および外部委員5名、当日2名欠席)による公募研究の方針について協議し決定を行った。17名の候補者を決定した。5) 若手勉強会の開催:本年度は公開シンポジウムの1日目の午前中にclosedの若手勉強会を開催した。口頭発表、ポスター発表を行い、3名に最優秀発表賞を授与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた公開シンポジウムと班会議、若手勉強会、ホームページの開設などを無事に終了した。これに加えて、支援班を利用した共同研究についてもスタートすることができた。唯一、年度末に予定されたプログレス会議は、コロナウイルス感染による出張の自粛により中止した。一方、予想以上の進展として、各計画研究班員の研究が順調にスタートでき、責任著者として多くの論文が公開され、それをホームページ上で紹介することができた。各班員の役割分担についても確認を行い、これまでのところ順調に研究を開始することができていると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
①研究の事務的支援:令和元年度と同様にホームページを充実させ、情報交換を行う。また、公開シンポジウムおよび若手勉強会を開催し、班員全員が最新の成果を発表するとともに領域の方向性と連携を確認する。年度末にはクローズドのプログレス会議を開催 し、当年度の研究の進行度と次年度の目標を確認する。その際に、論文などで公開されていない情報(ネガティブデータ等)に関しても共有できるように便宜を図り、国際競争力を高める。なお、公開シンポジウムおよび若手勉強会は、他の領域とも積極的に合同で開催する。ちなみに、令和2年度は新学術領域「配偶子インテグリティの構築(林克彦代表)」と合同で東京農工大において公開シンポジウムを、そして7月には新学術領域「非ゲノム情報複製機構(中西真代表)」と合同で若手勉強会を開催する予定である(コロナウイスル蔓延の状況によって延期または中止の判断を行う)。以上の方策により、1年目に続き、最大のアウトプットが期待できる体制を整える。特に、2年目以降は公募班も加わることから、領域内の共同研究をさらに活発化させる。②成果の公開:本領域の成果は、論文、プレス発表、公開シンポジウム、公開講座、ホームページ等を通じて広く公開する。③国際活動支援班:国際共同研究支援として、本領域班員の様々な専門分野の研究者のネットワークを生かし、共同研究体制を戦略的に構築する。また、研究者交流事業により、若手研究者を海外派遣し、海外の外部アドバイザーを招聘して研究室員と密接な相互関係を築く。④技術支援班:領域事務は支援を予定する技術支援項目の最先端技術開発状況を把握し、それを班員へ公開する。各班員は必要とする技術をもとにした共同研究を開始し、効率的かつ最高度のデータ取得をめざすことにより、領域の発展に貢献する。
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