研究領域 | 地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 |
研究課題/領域番号 |
19H05802
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 邦雄 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 教授 (10242166)
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研究分担者 |
梅原 さおり 大阪大学, 核物理研究センター, 特任准教授(常勤) (10379282)
森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (50313044)
吉田 斉 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (60400230)
南野 彰宏 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70511674)
身内 賢太朗 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80362440)
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
鈴木 英之 東京理科大学, 理工学部物理学科, 教授 (90211987)
関谷 洋之 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (90402768)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 地下 / 二重ベータ崩壊 / 暗黒物質 / 超新星ニュートリノ / 地球ニュートリノ |
研究実績の概要 |
令和元年度開始の新学術領域(研究領域提案型)「地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化」の総括班としての研究実績であり、直接的な研究活動は行わない。令和二年度は以下の活動を実施した。 1.研究代表者および地下大型実験の代表者が参加する運営会議を12回開催し、運転情報共有や個々の研究へのアドバイス、研究会の企画、協働体制の推進など領域の円滑な運営に努めた。また、内4回は、運営会議メンバーに加えて学術調査官や領域内外の評価者も参加する総括班会議を兼ね、研究の進捗や領域運営についての評価やアドバイスをもらい、運営に反映させた。 2.領域研究会を2020年6月2日・3日に開催したほか、極低放射能技術研究会6/2-4(延期分)、国際シンポジウム「Kashiwa Dark Matter Symposium 2020」11/16-19、ミグダル観測検討会202011/24,12/9、超新星ニュートリノ研究会1/7-8、「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊とその周辺」2/12,2/15、極低放射能技術研究会3/24-25のオンライン開催をそれぞれ支援した。超新星研究会では、地球形成や地球構造形成のチュートリアル講演を実施し、宇宙の歴史や物質の進化のスコープを広げることに取り組んだ。また、ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊とその周辺では、核行列要素の計算やその測定に関する課題なども掘り下げ、将来の方向性を見据えた実験・理論協働のきっかけ作りに取り組んだ。また、若手の発表機会を増やすためのポスター発表や表彰なども適宜オンライン会議に組み込んだ。 3.成果発表、分野関連系、成果の波及のための旅費支援、国際活動のための旅費支援などを行なった。 4.海外出張が困難な中で国際活動を円滑に進めるための共用設備(Ge検出機)の整備を支援した。また、アウトリーチの一環として領域パンフレットを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で対面での研究会開催などは困難であったが、ブレークアップルームやチャットの併用などのさまざまな機能を導入して、効果的な研究会開催を行なった。また、チュートリアル講演のほか、議論の時間を別途確保するなどして、多くの参加者を集めるとともに若手が広い知見で分野を見渡すことができる機会を作ることに努めた。国際活動においては、出張期間を長くすることで、クーリング時間をとっても有効な研究活動ができるような支援を行なった。これにより、イタリアグランサッソ研究所での暗黒物質探索プロジェクトが強力に推進された。研究機関が行う地下空間の整備において、領域の低温検出器および極低放射能検出器開発に合わせた設置スペースが運営会議の議論を通じて盛り込まれたことで、極低放射能低温検出器や世界最高感度を狙う極低放射能検出器の開発が可能となった。また、低温検出器開発においては、量子ビットなどの応用研究との連携を行う新たな研究プロジェクトが採択されるなど、波及効果が出始めている。また、アウトリーチの一環として領域パンフレットを作成した。
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今後の研究の推進方策 |
継続的に協働体制を強化していき、地下における宇宙の歴史と物質の進化に関する世界をリードする研究を展開するとともに、極低放射能や低温検出器の技術を発展させ他分野への波及にも注力する。コロナ禍での活動体制の更なる効率化とともに、コロナ禍が去った後に迅速に対面での国際活動を再開できるフレキシビリティを保持する。蓄積されてきたノウハウを各研究計画にフィードバックするとともに、波及効果の高い技術開発について新たな連携を促進する。若手育成においては各大学の教育プログラムと連動した活動を模索し、教育効果を最大限に高める。
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