本年度は総括班の構成を計画調書記載のメンバー内で一部入れ替え、分担者を京大・金光から東大・秋山へ変更した。本年度は中間評価の年度に相当したため、各研究課題の進捗状況や研究成果の調査を4月から7月までかけて行い、総括班実施メンバーおよび評価メンバーによる自己評価を実施し、中間評価用の研究経過等報告書をまとめた。9月10日に中間ヒアリングを受け『評価A』(研究は全体として順調に進展し、これまでの実績に加えて新たな研究成果が出始めている)の総合評価を得た。評価コメントを受け、領域運営についての再検討を行い、後半の研究のフォーカスを、動的相関光科学の学理の形成・学術体系化と、連携研究の推進の2点に絞ることとした。また連携研究の4本柱として、a)動的相関電子系の物質相解明、b)量子情報技術への展開、c)多電子過程と光機能、d)テラヘルツ分光に注力することとした。 5月27-28日に、異分野連携融合を目指した合同シンポジウム(日本科学未来館)を、化学系の特定領域研究「光-分子強結合場」(代表:北大電子研・三澤弘明)と共同開催した。8月9-10日に、計画・公募全体の理論研究者の連携のための理論ワークショップ(大阪大学)をA04小川らが企画し開催した。10月5-6日に、若手人材育成を目的とした第2回若手道場(有馬温泉)を分光光学実験の基礎をテーマとしてA03芦田および領域内若手メンバーが企画し開催した。平成23年1月6-7日に、成果報告と研究討論のための第4回シンポジウム・合同班会議を領域全体として行った。このほか実施メンバーは、ローカルな研究討論会・研究戦略会議を積極的に行った。領域内での新学理の体系化、連携の促進を目指し、解説論文集を編纂し、領域内部及び関係者に配布した。
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