研究領域 | 半導体における動的相関電子系の光科学 |
研究課題/領域番号 |
20104001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五神 真 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70161809)
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研究分担者 |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 准教授 (40251491)
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キーワード | 光物性 / 半導体物性 / 物性理論 / 材料化学 / 量子エレクトロニクス |
研究概要 |
平成23年3月11日の震災に伴う原発事故での放射能汚染に対する諸外国の反応は予想以上に大きく、海外の研究者にワークショップ開催案内と招聘の連絡を行っても拒まれる事となった。これに伴い当初予定していた事前準備が行えず、開催経費として計上していた予算を繰越し、当初の計画から半年遅れた平成24年4月23-24日に東京大学本郷キャンパス(小柴ボール)での開催となった。動的相関光科学(DYCE)とアジアを中心に応用研究・開発が活発な青色LED・レーザーデバイスの基礎を議論する事が出来た。アジア・欧州の第一線研究者との研究成果発表及び議論の場を設け、本新学術領域研究の制度や活動について説明をしたうえで、評価コメントを口頭および文書で集め、「日本における重要な学術の方向付けとその先導を組織的・戦略的に行っている本新学術領域研究DYCEの活動に敬意を表する。その活動をアジア地域にまで展開しようというDYCE-ASIAワークショップ開催に感謝する。第2回以降のDYCE-ASIAワークショップが開催されることを期待する。是非再び参加したい。」などの評価を得た。 その他、例年度通り、総括班が主導して、平成23年6月13-14日の第5回 DYCEシンポジウム(京都大学・化研) 、同年9月26-27日の第3回 DYCE若手道場(大阪大学)、平成24年1月5-6日の第6回DYCE領域シンポジウムをはじめ、研究討論会・研究戦略会議を企画運営し、領域マネジメントを図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
震災・原発事故の影響により平成23年度に当初予定していたDYCE-ASIAワークショップの開催時期は平成24年4月23-24日となったが、平成23年度の研究内容自体は、概ね当初計画以上に進展したと。特に、領域中間評価において、本領域全体の進展状況について、『 A 』評価とともに「物質開発、デバイス作成、測定、理論の間でさらに密接な連携を取りながら研究を進めて欲しい」とのコメントを頂いたが、そのコメントに応える領域内連携研究の数と質が加速度的に向上してきている。
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今後の研究の推進方策 |
領域研究期間終了までの研究フォーカスを、動的相関光科学の学理の形成・学術体系化と、連携研究の推進の2 点に絞る。応用につながる研究成果を挙げることに関しても、動的相関電子系を深く理解して制御することにより、光の潜在力をさらに引き出す方針で臨む。連携研究の4本柱として、a)動的相関電子系の物質相解明、b)量子情報技術への展開、c)多電子過程と光機能、d)テラヘルツ分光に特に注力し、総括班はそれらの連携をさらに一層強力に主導してゆく。「DYCE国際ワークショップ(屈斜路)」(8月7-11日)を開催し、欧米の第一線研究者との研究成果発表及び議論により、研究の国際的な評価の自己点検を行い、成果まとめに役立てる。また、「DYCE公開フォーラム(東京大学・小柴ホール)」(8月6日)を開催し、領域外の一般研究者に向けた成果発信を行う。 また、第7回 DYCE シンポジウムを12月25-27日に開催し、領域内の最終の全体討論を行う。
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