総括班
本新学術研究領域ではπ電子を持つ化合物に対し、電子や磁場等の影響や、別の化合物が相互作用する状況下において、より広がりを持った、あるいは特徴が変わった、そして究極的には高度で複雑な秩序やシステムまでもが生じる場を「高次π空間」と定義し、この機能、物性、構造および反応機構を明らかにすることを目標とした。四つの研究項目を設定し、項目間での緊密な連携のもとに研究を行ってきた。研究項目A01は「非平面」を切り口に新しいπ電子系の創製を行い、A02はπ電子系の集積化による機能性「高次π空間」の開発を行い、A03では高次π空間にはたらく電子、光、磁気的相互作用を明らかにしながら革新的機能の開発を行ってきた。A04では高次π空間を有する生体分子とタンパク質あるいは他の化合物との相互作用を研究することで新概念の構築を図ってきた。本研究ではこれまでの研究成果を取りまとめることを目的とした。これまでの研究成果の取りまとめを、各研究項目A01~A04で行うと共に、研究項目内および研究項目間での総合的な取りまとめ活動を、本申請研究組織(新学術領域総括班)が中心となって行った。このようにして取りまとめた研究成果を、「研究成果報告書」の冊子体作成ならびに「公開シンポジウム」の開催にて公表した。本新学術領域での研究成果を報告するのみならず、「高次π空間の創発と機能開発」の研究をどのように進展させてきたか、今後どのように展開させて行くべきか等をまとめ、今後の若手研究者、大学院生への指針を提示するとともに、周辺の関連分野の研究者に「高次π空間」の魅力を示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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