新学術領域「分子ナノシステムの創発化学」成果を集積、整理し、5年間の研究の総まとめをおこなうとともに、事後評価報告書作成および成果概要集の作成を行った。 領域の設定目的に照らして、各成果の評価と位置づけを行った。その結果、創発の因子として、非平衡成長、ゆらぎ伝搬・増幅、経路選択、化学トリガー、刺激の伝搬・増幅、共同効果などを見出し、分子ナノシステムにおいて巨大構造・機能の創発を導く概念として、非平衡散逸系における物質創成、単一位相支配、巨大一義構造、動的機能創発、確率共鳴などが重要であることが明らかになった。さらに、本領域では、これまで交流の無かった分野間の橋渡しが実施され、事前に予想されなかった多数の新しい成果が生まれたことが明確になった。 事後評価報告書では、領域全体の5年間の研究成果を収集し、原著論文総数、招待講演・依頼講演総数を把握した。さらに、ハイインパクトジャーナルに掲載された論文数の調査を行い、結果を記載した。また、学術誌の表紙を飾った研究や新聞発表、Web記事などを集め、その縮小画像をまとめて掲載した。これらの作業を通して、本領域が質量ともに高い成果を収めたことが明らかになった。 成果概要集では、計画研究2ページ、公募研究1ページのフォーマットを設定し、領域内で行われた各研究課題の概要、領域内での位置づけ、成果、論文をコンパクトにまとめて概観できるように編集作業を行った。 報告書、概要集は上質紙を用いてカラーで印刷され、領域外への情報発信媒体として魅力的かつ長期の使用に耐えるものに仕上げた。
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