総括班
細胞内の多くのオルガネラや細胞膜を膜ダイナミクスによって結ぶ物流ネットワーク・メンブレントラフィックの実態は、単なる物質運搬ではなく、経済用語のロジスティクス、すなわち「原材料の調達から製品消費までのものの流れの総合的なマネジメント」により近い。この細胞内ロジスティクスは個々の細胞の生存のみならず神経、内分泌、免疫などの高次生体システムをも担い、その障害や破綻は疾患の原因となる。本領域ではその根底にある分子基盤の解明による病態の理解を目指し、分子細胞生物学的なアプローチと共に情報科学・工学及びケミカルバイオロジーとの融合研究を展開する。本研究(総括班)は、融合研究である本領域が適確に推進され、大きな成果を挙げられるような体制を整える役割を担う。今年度は以下の活動を行った。平成23年6月1~3日に第3回全体班会議を開催した。今回公募班員の半数以上が交替しており、新たなメンバーを迎えて活発な発表と討論が行われた。同時に開催した第5回総括班会議で、現状の総括と今後の方針を話し合った。融合研究の細胞内画像解析の啓蒙・宣伝活動を精力的に実施した。毎年実施されている精密工学会の外観検査アルゴリズムコンテストにおいて、昨年に引き続き今年も対象にメンブレントラフィック(オートファゴソーム形成)が選定され多くの画像解析研究者が参加し技術を競った。領域HPとニュースレターによる情報発信も精力的に行っている。HPには新たに班員のアウトリーチ活動を紹介するコーナーを設けた。
2: おおむね順調に進展している
予定通り班会議の開催やニュースレター発行を行っている。融合研究推進、企業協力も順調に進んでいる。
最終年度に向け、領域全体として成果のとりまとめを考えていく必要がある。また、融合研究の成果を領域にフィードバックする仕組み作りや開発した技術の一般公開を今後行っていきたい。最終年度には班会議とは別に、国際シンポジウムを行う予定なのでそれを成功させる。国民に向けた成果発信も、これまで以上に積極的に行うべきであろう。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (12件) 備考 (1件)
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http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/yoshimori/jp/achievement/010/