平成20年度10月にスタートし平成24年度3月に終了した新学術研究領域「学際的研究による顔認知メカニズムの解明(略称「顔認知」)」の、最終年度の取りまとめを行った。5年間の研究成果を代表的班員8名(グループ)が英文論文にまとめ、Japanese Psychological Research誌(Wiley社発行)の2014年第1号に特集号として刊行された。「顔認知」に関して、英文論文の特集号が組まれたことは世界で初めての事であり、高い反響を呼んだ。2013年1月に東京大学出版会より発行した「顔を科学する:適応と障害の脳科学」は、初版4500部をほぼ売り上げた。5000円近い価格の学術本としては特記すべきものである。この本の内容に関して多くの問い合わせがあり、それに対応した。総括班会議を2度(名古屋と東京)開催し、5年間の研究及び領域活動の総括を行った。平成23年度から製作を開始している「ニホンザルの顔のデータベース」を完成させた。これは世界で初めての画期的なデータベースである。顔認知に関連した多くの学会発表と講演を支援し、本研究領域の成果をアピールした。研究代表者(柿木隆介)だけでも5回の講演(一般向けの講演3回を含む)を行った。平成20年度から25年度までの、多くの研究領域会議、各研究グループあるいはグループ間の会議、国際シンポジウム(参加者数:約120名で、海外からは33名)、一般の方を対象とした講演会の資料を整理した。
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