研究概要 |
総括班「サンゴ礁共生・共存未来戦略」の目的は,新学術領域「サンゴ礁学-複合ストレス下の生態系と人との共生・共存未来戦略-」の目的達成のために,1)学際的な研究連携を進め,2)フィールド支援体制を整備し,3)学術的な成果を社会に適用し,4)そのための人材を育成することである.平成22年度は,1)学際的研究の連携を推進するため,複合ストレス,生態系応答,社会システムの3つの連携課題を設定した.こうした連携による成果として,「サンゴの白化」,「栄養塩ストレス」,「人為ストレスの歴史」に関する詳細が明らかになった.また,2)フィールド支援体制整備及び4)人材育成を推進するため,7月から9月に沖縄県石垣島と瀬底島で分野の枠を越えた合同調査を実施,9月には学生を対象としたサマースクールを瀬底島で開催し,ポスドクを中心とする若手の会がより若い学生への指導を行うなど,幅広い視野を有した若手研究者が育っている.3)社会適応のため,石垣島周辺で実際のサンゴ礁保全・再生策を実施する石西礁湖自然再生協議会に加盟し,現地NGOとの情報交換を行い,6月にはタイで国際ワークショップを実施するなど,国内の政府機関,地方行政機関,NPO,民間や,海外の拠点・研究機関,国際機関との連携を強化した.また一般には,本新学術領域のホームページやニュースレターvol.3/4を各2千部発行して最新の成果を発信し,8月と3月には現地適応のテストサイトである石垣島で,一般を対象とした成果報告会・意見交換会・ポスター展を全4回開催し,学術成果を還元すると同時に,地元の意見・要望をその後の研究進展に反映させる機会を得ている.
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