本研究領域「冬眠生物学」では、最先端の計測技術および遺伝子工学技術を駆使した分野横断型チームにより、哺乳類生理学に残された大きな 課題である「冬眠・休眠実行を担う分子ネットワークの解明」を目的とする。本領域の効果的な推進に向け、研究指針方策の検討、領域内調整 による共同研究の推進、領域評価と助言、企画・広報を実行し、当該研究領域での国際的な学術連携と若手人材育成に取り組む。総括班は領域代表の山口が兼務し、各計画班代表は研究協力者として参画する。世界トップレベルの革新的な研究を行うために研究者同士の連携を積極的に進め、相乗効果を生む施策を講じる。 本年度の具体的な施策として以下を行った。 1. オンライン領域会議:各計画研究の企画調整、推進方針の確認・決定を行い、領域内研究者間での情報交換、研究資材 の相互利用など有機的な連携体制の構築強化を進めた。具体的には2020年11月に全体キックオフ会議、2021年2月に計画代表者・分担者での進捗会議を行なった。 2. 広報・情報共有:領域ホームページと、冬眠休眠研究フォーラムを作成した。フォーラムは領域内の研究者だけでなく、冬眠・休眠研究に関わる論 文・学会等の情報交換を誰でも行える場を目指す。これにより領域内外の研究者・学生への情報発信や市民への研究成果の公開と還元を実行し ていくための広報活動のシステム構築の基盤をつくる。 3. 国際交流: 海外の冬眠休眠研究者を積極的に日本開催の学会・国際シンポジウムに招聘することを目指す施策である。本年度は日本分子生物学会年会にジリス の冬眠生理学研究の第一人者Elena Grachevaを招待し交流を深めた。 4. 冬眠研究用機器の開発:体温・活動量の長期計測を可能とするデバイスの試作機を作成した。
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