研究領域 | 細胞運命操作による植物生殖システムのリモデリング |
研究課題/領域番号 |
20H05778
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
丸山 大輔 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教 (80724111)
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研究分担者 |
山岡 尚平 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (00378770)
水多 陽子 名古屋大学, 高等研究院(WPI), 特任助教 (70645142)
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研究期間 (年度) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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キーワード | 配偶体 / 植物 / 細胞運命 / 重複受精 |
研究実績の概要 |
本領域ではシロイヌナズナやゼニゴケ、ベンサミアナタバコなどのモデル植物を用い、雄性配偶体や雌性配偶体を構成する生殖細胞の運命転換を通じて新たな植物の生殖システムの構築を目指している。計画班員のそれぞれが独自の解析系を持っており、別々の細胞での運命転換を試みる予定なので、総括班としてはそれぞれの実験系と研究方向性を互いに具に確認できる環境を整えることが重要である。 そこで2020年度、総括班は領域の目的達成に向けた第一歩として、まず、ビジネスチャットツールのSlackを活用した情報交換の場を設けた。また、領域開始の翌月には領域アドバイザーを交えた領域班会議を開催し、領域の研究準備状況と班員間の連携の確認、そして、今後の領域発展の方向性についての議論を行った。これらの機会を通じて計画班員間の共同研究を進める体制を整えた。 総括班では領域の宣伝活動も様々な方法で行った。山岡班を中心に2021年の3月にオンライン開催された第62回日本植物生理学会年会に付随する関連集会で、植物生殖改変のコンセプトを広く伝えるためのシンポジウムを行った。この関連集会には約60名が参加して植物生殖研究についての活発な意見交換がなされた。さらに、領域での研究成果などを広く社会に伝えるための領域ウェブサイトを水多班を中心に作り上げた。丸山班は代表として羊土社の発行する実験医学の学術変革領域特集のアンケートに協力した。また、研究成果公表促進の一環として、班員への論文の掲載料の支援体制を整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は新型コロナへの対応のために対面でディスカッションすることが難しい状況で、オンラインのツールを利用することで班会議や技術共有を行うことができた。その結果、計画班員間の連携は大きな困難もなく進められている状況にある。領域の広報活動についてもウェブサイトの開設や関連集会の開催など、広く認知をしてもらうための活動ができた。計画班からも本領域の部分的なサポートを受けて受理された論文もいくつか出てきており、論文掲載費の一部を領域の事務局をサポートする体制を構築することができている。このような状況を受けて、計画班同士の共同研究も増えてきた。以上のような成果から、領域の開始としての基盤づくりは成功していると考えられ、概ね順調に研究が進展していると評価ができる。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に築き上げた領域の体制をもとに2021年度は共同研究を推進する。まず、これまでのように数ヶ月に一回のペースで領域班会議を開催することで、計画班員それぞれの研究状況を把握するとともに、新たな共同研究の可能性を検討する。また、領域班会議では十分に補うことができない部分、例えば、研究材料や解析技術の提供などを積極的に推進したい。各班員は別々の県の受け入れ機関に所属しているため、対面での実施が必要な際は新型コロナの感染防止対策を入念に行う。 得られた研究成果を論文で発表する際は、2020年度と同様に英文校閲や投稿料、そしてオープンアクセス料金のサポートを行う。
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