研究領域 | イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造 |
研究課題/領域番号 |
20H05823
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
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研究分担者 |
太田 信宏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40345319)
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20611198)
野田 仁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (00549420)
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
石井 正子 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (40353453)
熊倉 和歌子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (80613570)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | イスラーム / コネクティビティ / 信頼 / ネットワーク / 平和構築 / ムスリム / 移民 / 思想 |
研究実績の概要 |
各計画研究班に対して、一つの班内ではなく可能な限り複数班の共催、もしくは外部団体・組織と共同してワークショップを開催するよう求め、それはほぼ実現した。こうして37件に上る多数のワークショップを通じて、大半がオンラインではあったが、公募研究も含め、本科研構成メンバーの間での研究交流が促進された。 2021年12月にA01・B01の企画になる第1回国際会議 Conflict and Harmony between State and Marketをオンライン で開催した。時差やセッションの継続時間等、オンライン国際会議ならではの制約があったものの、全体を通して国家間関係とイスラーム経済の過去と現在の問題をコネクティビティと信頼の観点から論じる充実した議論をもつことができた。 2022年3月に2021年度全体集会「信頼学のレシピ:材料編・素材と方法」をオンラインにて開催、公募研究代表者を中心とした研究素材の集め方。向き合い方に関する報告と、A02・B02班の代表(野田・山根)による、次年度の国際会議企画を意識した「研究素材の吟味」という立場からの報告を基に議論した。 COVID-19流行による渡航制限のために、海外調査と海外からの招聘による国際交流は、オンラインによる新たな関係づくりや研究手法の発展があったとはいえ、影響を受けざるをえなかった。そのかわりに、進行中の研究活動の中から積極的に成果を発表する契機とすべく、研究叢書をシリーズ「イスラームからつなぐ」として、その構成を検討するとともに、第1巻の執筆・具体的な準備を開始させた。 さらにシビルダイアログ・キャラバンの一環として、保育園にて地域コミュニティへの成果還元を行うという斬新な試みを行い、大きな反響を呼んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オンラインであったとはいえ、2021年度の第1回国際会議を予定通り開催し、第2回の全体集会も開催することができた。また個別の複数班企画によるワークショップも多数開催し、本プロジェクトの研究内容が深化したと認識している。海外調査と海外からの招聘も少しずつ再開し、次年度につなぐことができた。オンライン会議により、国際ワークショップも概ね予定通りに開催し、海外調査についてもB03班が海外提携機関に委託調査をするなど、可能な限りの対応ができた。この点についてはアドバイザリーボードとしての評価委員会においても積極的な評価を得ている。 構成員の海外調査が制限を受ける一方で、成果発表の一環として叢書(シリーズ「イスラームからつなぐ」全8巻)の企画を開始し、出版社との打ち合わせの中でシリーズ全体像を確定し、総括班メンバーを中心とした執筆陣による第1巻の内容についても詳細を決定することができた。 社会への成果還元活動としてのシビルダイアログ・キャラバンも、COVID-19の影響を受けて全国展開することはできなかったが、保育園という場所を使って地域コミュニティに還元するという取り組みも高く評価された。
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今後の研究の推進方策 |
各研究班が推進するテーマ別研究とその組み合わせによる総合の作業を円滑にするため、複数班共催形式のワークショップ企画を促すとともに、研究成果をより社会に向けて開いてゆくために、本科研費以外の研究グループとの共催ワークショップや、シビルダイアログを市民社会の様々な方面に向けて開催するよう努力する。 評価委員会(アドバイザリーボード会議)を開催し、そこで与えられた助言を、研究活動内容の改善に反映させていく。
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