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2020 年度 実績報告書

DNAの物性から理解するゲノムモダリティ

総括班

研究領域DNAの物性から理解するゲノムモダリティ
研究課題/領域番号 20H05933
研究機関名古屋大学

研究代表者

西山 朋子  名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (90615535)

研究分担者 前島 一博  国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (00392118)
岡田 由紀  東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (60546430)
白髭 克彦  東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (90273854)
研究期間 (年度) 2020-11-19 – 2025-03-31
キーワードゲノム高次構造 / 染色体構築原理 / DNA物性
研究実績の概要

本領域では、DNAの構造物性的側面からのゲノム機能および構造理解を目指す。従来のゲノム研究では、DNAの情報的側面が過度に重視され、この塩基配列情報を基盤としたゲノム制御と、DNA修飾やヒストン修飾情報を基盤としたエピゲノム制御研究を中心に、生命機能の理解が進められてきた。本領域では、従来のゲノム研究で見過ごされてきたDNAの構造物性的側面に着目し、DNAの構造物性的側面と情報的側面との関係性を明らかにすることを通して、ゲノム機能の理解を目指す。塩基配列情報・DNA物性・その他の環境諸因子により多元的に制御されるゲノムの構造や機能の様式を「ゲノムモダリティ」と定義し、ゲノムモダリティを制御する諸因子の振る舞いから、新しい染色体像を描き出す。
本領域立ち上げに際し、初年度にキックオフミーティングを行った。領域内共同研究を活性化させるため、共有設備の設置をおこなったが、開催予定であった共有機器の使用説明会は翌年度に延期となった。女性研究者支援として、分子生物学会のサテライトシンポジウムとして開催されるInternational Symposium for Female Researchers in Chromatin Biology (ISFRCB) 2020を共催した。若手研究者支援として、染色体ワークショップを共催した。その他、高校での出張公開講座等を行い、科学教育を通して次世代の育成促進を図った。
各研究班のすべてのデータが集約される統合ツール「ゲノムモダリティ・スィート」は、領域内各研究班の個別研究および班同士の共同研究から得られた各種データと、本領域で開発される様々なソフトをシームレスに融合するプラットフォームである。初年度はこの構築を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は、本領域立ち上げに際し、領域アドバイザー、計画班代表者、分担者が参加するキックオフミーティングをオンラインで開催し、班員同士の連携体制と今後の計画班研究推進について確認、情報交換を行い、アドバイザーから領域運営方針についての助言も得た。領域内共有設備の利用促進のため、光ピンセットcTrapを共有機器として東大定量研に設置した。使用説明会等の開催を予定していたが、技術者が渡航困難のため、翌年度に延期となった。また、女性研究者支援として、分子生物学会のサテライトシンポジウムとして開催されるISFRCB2020を共催し、国内外の女性研究者による講演会を行うとともに、欧米諸国と日本の女性管理職登用の現状について海外からのゲストと意見交換、議論を行った。若手研究者支援として、第38回染色体ワークショップを共催し、また高校での出張公開講座、生物講義、実験実習等を行い、科学教育を通して次世代の育成促進を図った。
各研究班のすべてのデータが集約される統合ツールGM Suiteは、東大ヒトゲノム解析センターSHIROKANE上に構築し(https://gmsuite.hgc.jp/)、シムテムの組み立てを開始した。具体的には、各研究班の個別研究から得られるデータタイプやデータ量等のニーズの聴取を行い、それに沿ってApache、MySQL、JavaScriptなどを用いて基盤システムを構築した。データベース(DB)にはENCODE、GTEx、ClinVarなどの公共データ(Public DBs)も整備し、ユーザーが登録したデータとの比較参照ができるようにした。
広報活動としては、領域ホームページを開設し国内外への情報発信を開始し、また国内研究者向けにニュースレターの発行を開始した。

今後の研究の推進方策

次年度は新型コロナウイルス感染症の状況をみながらの判断となるが、公募班研究者を含む領域研究者およびアドバイザーが一同に会する領域会議の現地開催を目指し、班員同士の連携体制と今後の計画班研究推進について確認、情報交換を行う。領域内共同研究を推進するための共有設備については、今後、技術補佐員を雇用し、利用説明会を行うなど、管理・保守・運営を行う。女性研究者支援として、今年度に引き続き、International Symposium for Female Researchers in Chromatin Biology (ISFRCB) 2022をWomen in Science Japan(WiSJ)と共催予定である。若手研究者支援として、生物物理学会や分子生物学会のシンポジウム、ワークショップ等を共催するだけでなく、領域研究に関わる若手研究者の会を主催し、若手の発表機会を増やす支援を行うとともに、若手研究者が交流できる機会を設ける予定である。その他、引き続き、高校での出張公開講座など、アウトリーチ活動を行う。GM Suiteについては、引き続き構築を進め、ゲノム・エピゲノムデータと一部の構造データを利用可能な状態にし、共同研究データの共有を領域内限定で開始し、班員からのデータを試験的に受付ける予定である。また、クロマチン、コヒーシン、コンデンシン棟の構造モデル生成を行う。データ共有と可視化ツールの構築も順次進めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [備考] ゲノムモダリティ

    • URL

      https://www.genome-modality.com

  • [学会・シンポジウム開催] 第38回染色体ワークショップ・第19回核ダイナミクス研究会2021

  • [学会・シンポジウム開催] International Symposium for Female Researchers in Chromatin Biology (ISFRCB) 20202020

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公開日: 2023-12-25  

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