研究領域 | 環太平洋の環境文明史 |
研究課題/領域番号 |
21101001
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
青山 和夫 茨城大学, 人文学部, 教授 (70292464)
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研究分担者 |
米延 仁志 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (20274277)
坂井 正人 山形大学, 人文学部, 教授 (50292397)
高宮 広土 札幌大学, 文化学部, 教授 (40258752)
安田 喜憲 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50093828)
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キーワード | 環太平洋 / 文明 / 環境史 / 歴史的教訓 / 今日的意義 / 通時比較研究 / 年縞 / 社会還元 |
研究概要 |
本領域研究の目的は、(1)環太平洋の非西洋型諸文明(メソアメリカ文明、アンデス文明、太平洋の島嶼文明など)の盛衰に関する通時的比較研究を行う、(2)環境史の精緻な記録である湖沼年縞堆積物を用いた環太平洋の環境システムの変遷史と諸文明史の因果関係を詳細に明らかにする、(3)その歴史的教訓と今日的意義を探求する、ことである。本年度は総括班活動として、以下の項目を実施した。(1)領域全体の研究方針の策定と企画・調整:研究組織のデータベースとメーリングリスト(ML、総括班、各計画研究別)を更新し、連絡を密接に取り合った。(2)研究活動の監督と協力;5月に国際研究者全体集会を沖縄で主催した。総括班会議及び、必要性に即応してウェブ会議やML持ち回り会議を開催した。個々の計画研究の活動(調査・分析・発表等)を迅速に把握し、計画研究間の協力関係をまとめた。その結果、AO1とAO2、AO3、AO4の共同研究を実施するために、効率的な領域運営が実現できた。また研究組織全体の研究成果情報を収集した。(3)研究成果のとりまとめ・公表と社会還元:領域ウェブサイトを随時更新した。5月に那覇市の沖縄県立博物館において公開シンポジウムを開催した。(4)研究成果の総括と評価:各計画研究の成果を報告し、意見交換を行った。(5)総括班会議を6回(H23年5月に2回、9月に2回、H24年1月、3月)開催し、領域の企画調整や進行状況を報告、評価した。本領域研究を推進することによって当該領域における人材育成に繋げていくのが一大目標の一つであるが、本領域研究に参加中の若手の研究者のうち2名が常勤、2名が任期付の研究職を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
各研究項目の連携を強化し、効率的な領域運営を実現した結果、湖沼堆積物を用いて復元した高精度で時間分解の高い環境史を軸として、メソアメリカ、アンデス、琉球列島といった各地域における文明の実態を通時比較研究し、環境文明史という新学術領域を確立するための見通しを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本新学術領域研究を推進するために、年縞によって復元された高精度の環境史を軸として、実証的に歴史的考察を行い、環境文明史を創成するという方針を堅持する。本領域研究は、現地調査を実施した後の室内分析に多くの時間と労力を要するために、5年間継続して研究をこつこつと続けていき、地道に研究成果を残していきたい。本領域の研究成果を国内外に積極的に発信し続けていくことによって、当該領域の学術水準を国際的にさらに向上・強化していく。また領域代表者をはじめとする総括班のメンバーは、今後さらにリーダーシップを発揮して、領域として研究計画を推進し続ける所存である。本領域の中心メンバーは中堅・若手であり、本領域研究を推進することによって、当該領域における革新的な人材育成に繋げていきたい。
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