研究領域 | 背景放射で拓く宇宙創成の物理―インフレーションからダークエイジまで― |
研究課題/領域番号 |
21111001
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
羽澄 昌史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20263197)
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キーワード | 背景放射 / 宇宙創成 / インフレーション / ダークエイジ |
研究概要 |
本研究課題は総括班であるため研究そのものはおこなわない。したがって、研究実績ではなく、活動報告を以下に記す。また、予算の一部を平成24年度に繰り越したため、平成23年度による活動、繰り越し予算にておこなった活動、の二つに分けて記す。 平成23年4月-平成24年3月の活動: 領域のマネジメントを議論するための領域戦略会議を5回開催し、各々の計画研究の進捗状況を把握し、活発な意見交換を行った。また、領域全体のプロジェクトマネジメントについても議論した。領域シンポジウム(2011年7月)を開催し、領域が進めている背景放射研究について発表・討議を行った。80名を超える参加者を得て、盛況であった。さらに若手研究者を主体とした研究会を二回開催した。 研究者向けと一般向けの二種類の領域web pageを運用し、情報の発信を行った。広報活動につとめ、研究に関する情報の雑誌掲載(日経サイエンス2011年10月号(8月25日発売)の「Front Runner 挑む」のコーナーで本領域代表の羽澄昌史が紹介されたなど)、新聞報道(赤外線天文衛星「あかり」の赤外背景放射ゆらぎに関する我々の観測結果が報道発表された)、テレビニュース(9月17日(土)19:00~20:30にNHK BSプレミアム「コズミックフロント・ジュニアスぺシャル」)、一般向け講演・サイエンスカフェの実施などがあった。 平成24年4月以降の繰越予算による活動: 平成25年3月に高エネルギー加速器研究機構にて国際会議をおこなった。また、そこでの成果発表をおこなうための国内準備会議を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は総括班であるため研究そのものは行わない。総括班の主たる目的は、領域全体の研究戦略決定、進捗管理、問題解決に加えて、広報活動、人材交流促進、人材育成、を推進することなどである。当初予定していた戦略会議、領域シンポジウム、若手研究会、アウトリーチプログラム等は、ほぼ予定どおり実施することができた。雑誌等の取材も複数あり、本領域が出来たことにより背景放射の実験研究が日本ではじめて大きく注目を浴び始めたことを物語っているといえる。 2011年3月に発生した東日本大震災によるダメージは、東北大学、高エネルギー加速器研究機構を中心として無視できるものではなかったため、総括班として連絡を取り合い、物心両面からの援助をおこなった。この大きな災害にも関わらず、計画研究の進行がほぼ計画どおりに進んでいる事は、総括班の援助による部分は無視できなかった。 以上から、総括班の目的は、おおむね達成していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今のところ、大きな研究方針の変更や、致命的な問題点などはなく、基本的には、これまでどおり、領域全体の研究戦略決定、進捗管理、問題解決に加えて、広報活動、人材交流促進、人材育成、を推進していく。ただし、これまでと異なり、最終年度に向けて、これらの活動の最終成果を達成し、プロジェクトを成功裏に終結させることを強く意識したマネジメントを行う事が重要となる。最終目標を明確に設定して、より細かく短いタイムスケールで進捗状況を管理していく。 成果発表のために、最終年度に比較的大きな国際会議を開催することが、総括班としての目玉の一つとなる。また、公募研究も含めた、領域全体の総括をおこなう最終シンポジウムを開催することも重要であり、この二つを成功させることが、総括班の主たる活動に含まれる。また、若手研究者が順調に育ってきている反面、国内の任期無し研究職は非常に限られている現状の中で、本研究で採用した任期付研究者の進路をサポートすることも、総括班として極めて重要な課題であり、この点についても時間をかけて取り組みたい。
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