研究領域 | 天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現 |
研究課題/領域番号 |
21113001
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 衛 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (60170784)
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研究分担者 |
柴田 武彦 理化学研究所, 遺伝制御科学特別研究ユニット, ユニットリーダー (70087550)
太田 元規 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (40290895)
明石 知子 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (10280728)
石野 良純 九州大学, 農学研究院, 教授 (30346837)
肥後 順一 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (80265719)
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キーワード | 天然変性タンパク質 / タンパク質のゆらぎ / ダイナミクス / X線小角散乱 / NMR / 高速AFM / 核内タンパク質 / ハブタンパク質 |
研究概要 |
当該領域では、構造生物学、分子生物学、情報生物学の3分野の研究者が連携して、「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現」について、その構造科学的・機能科学的基盤を理論的・実験的に解明することを目指している。この当該領域の研究目的を着実に遂行し、各研究分野の協力・連携関係を強力に促進・支援していくために、本年度は以下のような活動を行った。 ●若手育成講習会(平成23年4月26日大阪大学蛋白質研究所) 「NMRによるタンパク質解析法の基礎的理解(概論と実習)」と題する講習会を開催した。NMRを専門としない研究者が天然変性タンパク質の研究においてNMRのデータを利用、理解するための基礎的かつ実践的な講習会となった(参加者は48名)。 ●領域会議(平成23年6月29日~7月1日宮崎県青島パームビーチホテルブーゲンビリア) 計画班及び公募班の研究代表者が一同に集まり、これまでの研究の進捗状況を発表し、中間評価に向けた取り組みの確認および今後の活動状況ついて議論した。 ●平成23年度第1回総括班会議(平成23年6月30日宮崎県青島パームビーチホテル龍王) 本年度の活動計画の実施状況の報告およびそれぞれの研究分担者の役割の進行状況を確認し、中間評価に向けた取り組みおよび今後の活動状況ついて議論した。 ●第2回公開シンポジウム(平成24年1月24日~25日大阪千里ライフサイエンスセンター) 本領域研究において顕著な成果を挙げている若手研究者による最新の研究成果の発表により、これまでの本領域の研究成果を発表した。 ●平成23年度第2回総括班会議(平成24年1月24日大阪千里ライフサイエンスセンター) 本年度第1回総括班会議以後の活動計画の実施状況の報告およびそれぞれの研究分担者の役割の進行状況を確認するとともに、中間評価結果を踏まえた今後の領域運営および活動状況ついて議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中間評価において、「異なる学問分野の研究者が連携して行う共同研究等の推進により、当該研究領域の発展を目指すもの」とした当該領域において、従来のX線結晶解析やNMRに加えてX線小角散乱などの生物物理分野の研究者も糾合させて蛋白質の構造解析に取り組んできたこと。さらに、「当該領域の研究の進展が他の研究領域の研究の発展に大きな波及効果をもたらすもの」とした当該領域において、情報生物学で天然変性領域の予測法を行い、分子生物学的な解析で機能解析し、NMRによる変性構造解析や、構造解析グループによる複合体の構造解析を行うことができれば、広い領域への波及効果が期待できるとの評価を得たこと。また、研究人材の育成では若手育成を目的とした講習会を2回企画・開催し、いずれも若手研究者の積極的な受講があり、次世代の生命科学の礎を担う若手研究者の誕生に期待がもたれたとの評価を受けたことなどを総合的に鑑みて、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
中間評価において、「情報生物学と構造生物学の融合による動的構造へのアプローチ加え、分子生物学と構造生物学の連携による動的構造と機能に関連する取組を加えた新しい方法論の開発を期待する。」とした領域発足時の意見に対して積極的に取り組んでいる点が高く評価されたので、引き続き、従来の構造生物学では不可能であった解析に向けた研究の取り組みを推進する。特に、疾患に関連する天然変性蛋白質の解析や創薬に向けた研究など応用分野への拡大を期待する意見があったので、疾患に関連する天然変性蛋白質の構造機能解析に向けた研究を推進していく。
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