総括班
領域評価ボード、領域運営ボード、6つの委員会を設置し、領域の運営を開始した。さらに、以下の4つのグループを構築し、学術の目的、対象、方法の変革に領域全体として取り組むことを開始した。計画研究を進めるため月1回のオンラインセミナーを計画・実施した。グループA)(グループ長:笠井)により、領域に参加する分野横断の研究者で、IIHBSの共通理解を得た上で、計画研究を進める体制の構築に取り組んだ。グループB)現代社会の困難の解消に向けた学術活動を行うため、学術者自身の非当事者状態からの回復が必要となる。当事者研究プログラムの標準化、D&I(dissemination & implementation; 普及と実装)に取り組んできた綾屋(X00/B01分担;社会心理学・障害学)が、B01で研究開発した当事者研究プログラムを、総括班X00において領域内の計画班員・公募班員等の学術者向けに当事者研究ワークショップとして実装し、「学術者の当事者化」を目指すことに着手した。グループC)(グループ長:金原; X00/A03分担;社会福祉学)は、本領域の主要な計画研究の遂行にあたって、研究デザインの段階からの共同創造を支援することに着手した。グループD)(グループ長:笠井)においても、若者との共同創造として、思春期前期の児童・生徒を対象に、当事者研究や、共同創造の手法を取り入れながら、思春期の脳とこころの発達と多様性や、障害の社会モデルの考え方について、研究者とともに考える企画を計画した。
2: おおむね順調に進展している
運営総括、グループAにおいては、領域評価ボード、領域運営ボード、委員会による領域の運営を行い、領域に参加する分野横断の研究者で、IIHBSの共通理解を得た上で、計画研究を進めるため月1回のオンラインセミナーを計画・実施した。多分野にまたがる研究者が共同する学際的研究における相互理解や若手研究者の育成の観点から、専門領域外の若手研究者が司会を行い、分野や年代を架橋した議論を重ね、連携研究の推進を行った。グループBでは、領域内の計画班員等の若手学術者向けに当事者研究ワークショップを実施した。具体的には、「当事者研究体験会」を実施し、若手研究者自身が体験的理解をした上で、綾屋及び熊谷が「当事者研究講義」を実施し、議論を通し、当事者研究に関する理論や背景を含めて理解を深めた。さらに、昨今の研究者のみが主導する国際研究の深刻な課題と当事者参加や社会の変化の重要性や、共同創造の課題について、領域内研究者へ共有し、議論し、相互理解を深めた。グループCにおいては、研究デザインの段階からの共同創造を行う「統合失調症研究の優先順位についての当事者へのアンケート調査」を計画した。説明資料のわかりやすさ・負担感・リクルート方法などについて、事前にピアサポートワーカーから意見聴取した。事前テストを行い、参加者から感想や改善点を伺い、調査方法を一つずつ改善するなど共同創造について取り組んだ。リクルートにおいても、当事者の方々の意見を取り入れ、1219名から回答を得た。グループDにおいては、ひらめき・ときめきサイエンスプログラムを計画し、思春期前期の児童・生徒を対象に、思春期の脳とこころの発達と多様性や、障害の社会モデルの考え方や共同創造の重要性について、講義や実習・グループワークを組み合わせ、わかりやすく印象深く伝える工夫かについて、熊谷らと共に、検討を行い、具体的な実施計画を立てた。
運営総括、グループAにおいては、領域評価ボード、領域運営ボード、委員会による領域の運営を継続する。計画研究や連携研究を推進する月1回のオンラインセミナーを引き続き運営し、分野横断の学際的研究における相互理解や若手研究者の育成、及び、連携研究の推進に関する具体的方策を創出し、研究の推進に寄与する。グループBでは、領域内の計画班員等の若手学術者向けに当事者研究ワークショップを継続し、「学術者の当事者化」の方法を模索し、学術の目的、対象、方法の変革に資する知をまとめ、共有する。グループCにおいては、本領域の主要な計画研究の遂行にあたって、研究デザインの段階からの共同創造を支援する。具体的には、統合失調症研究の優先順位についての当事者へのアンケート調査の結果を解析する。従来の医学モデルに留まらず、当事者研究や、障害の社会モデルの概念・方法を取り入れ、結果を解析する。全てのプロセスにおいて、共同創造をこころみ、そのプロセスを詳記しながら進めていく。グループDにおいては、ひらめき・ときめきサイエンスプログラムを主催する。思春期前期の児童・生徒を対象に、思春期の脳とこころの発達と多様性について、講義・グループワーク・実習を組み合わせ、アクティブに体験的に学んでいただくことを目的とする。障害の社会モデルの考え方や共同創造の重要性を小中学生にわかりやすく伝え、多様性と包摂について社会の一員として自分の問題として考え、行動できる素養の醸成につなげる。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 6件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件) 備考 (2件)
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