研究領域 | ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 |
研究課題/領域番号 |
22101001
|
研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
赤澤 威 高知工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70013753)
|
研究分担者 |
森 洋久 国際日本文化研究センター, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10282625)
丸川 雄三 国立情報学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (10390600)
|
キーワード | ネアンデルタール人絶滅 / 現生人類の起源 / 旧石器時代の学習行動 / 学習能力の進化 / 狩猟採集民の学習行動 / 化石精密復元 / 脳学習機能 / 人類進化 |
研究概要 |
国際会議開催 第1回国際会議、RNMH 2012を開催した (日時:2012年11月18日-24日、会場:一ツ橋講堂学術総合センター)。開催趣旨は、交替劇プロジェクトの研究成果を国際舞台に発信し、評価を仰ぐためである。同時に、当該プロジェクトの存在を我が国の学界および広く社会一般に周知し、評価を仰ぐためである。そのために国際会議に先立って公開講演会を計画し、講演者として、交替劇プロジェクトの三大キーワード、「交替劇」「学習」「化石脳」の研究を先導してきた著名な研究者、O. Bar-Yosef (米国・ハーバード大学)、M.W. Feldman (米国・スタンフォード大学)、S.J. Mithen (英国・レディング大学)、C.P.E. Zollikofer (スイス・チューリッヒ大学) の四氏の公開講演会を実施した。 引き続き四日間実施した国際会議は、交替劇プロジェクトがカバーする考古学、文化人類学、数理生物学、生体力学、神経科学諸分野において最前線の海外研究者(20名)と日本側研究者(69)による口頭発表29本、ポスター発表38本で行われた。もっぱらヨーロッパ大陸のデータに基づいて欧米研究者によって進められた交替劇研究がはじめて世界規模に展開する機会となった。 国際会議に併せて、公開講演会を含む全発表 (全67本) を収録するアブストラクト集 (交替劇プロジェクト機関誌RNMH 002) を出版した。T. Akazawa, Y. Nishiaki (eds.) 2012 Replacement of Neanderthals by Modern Humans: Testing Evolutionary Models of Learning. Tokyo: RNMH Project series
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公開講演会は500名の会場が満席となり、所期の目的を達成した。 国際会議の議論において、海外招へい研究者から、交替劇プロジェクトの研究進捗状況について期待を込めての高い評価と同時に、データや分析の方法理論等についての問題点や疑問点も指摘された。討論内容は、当該プロジェクトのこれからの研究計画の設計に有意義な情報交換、相互評価の機会となった。
|
今後の研究の推進方策 |
交替劇プロジェクト研究成果の国際舞台への発信については、ドイツの著名な出版社 Springer の協力が得られルことになった。プロジェクトの成果を、今年度出版する第1回国際会議の Proceedings を皮切りに全十数巻のSpringer ネアンデルタール・新人サピエンス交替劇シリーズ (REPLACEMENT OF NEANDERTHAL BY MODERN HUMANS SERIES) として刊行できることとなった。
|