本新学術領域研究「コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス」は計算物質科学分野および実験物質科学分野の研究者と計算機科学(情報科学)分野の研究者による学際的融合研究により、物質科学の喫緊の課題である複合相関と非平衡ダイナミクスの問題解決を目的として、平成22年度~平成26年度に研究活動が遂行された。計画研究12班と公募研究34班によって、多彩な研究活動が展開され、その成果は、査読付きの学術雑誌に発表された884篇の論文、42篇の書籍、国際会議での335件の招待講演、国内会議での163件の招待講演という形で公表され、27件の受賞という形で結実している。とくに、大規模実空間密度汎関数法によるシリコン・ナノワイヤー計算でACM/IEEEのゴードン・ベル賞を獲得した。平成27年度に実施された事後評価では「A」の評価を得ている。 平成27年度の「終了研究領域」としての研究活動においては、得られた成果の発信を行った。各計画研究、公募研究の成果の内容を記述した全224ページの英文の報告書を作成した。これはコンピューティクス・アプローチの物質科学における有用性を広く知らしめるものであり、計算科学分野、実験科学分野、計算機科学分野の、国内222名、国外41名の著名な研究者にカラー冊子の形で送付された。この報告書は電子版でも作成されており、ウェブページ、http://computics-material.jp/jpn/achievement/index.html において全ての人々にオープンな形で公開されている。また各年度の成果報告書も上記のサイトで公開されている。 本新学術領域研究で確立したコンピューティクス・アプローチの展開として、文部科学省『ポスト「京」で取り組むべき社会的・科学的課題に関するアプリケーション開発・研究開発』プロジェクトが平成27年度から開始された。
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