総括班
スパイン病態について、アルツハイマー病モデルマウスでは、記憶障害あるいはアミロイド沈着が生じる以前に、スパイン密度の低下が起きていること(岡澤グループHum Mol Genet 2014)、発症後の脊髄小脳失調症1型モデルマウスにおいてはむしろ小脳分子層のスパイン過多が見られること(岡澤グループEMBO Mol Med 2014)、IL1RAPL1などの遺伝子異常による知的障害の場合はスパインが減少すること(吉田グループSci Rep 2014)、LTPに伴って構成分子が順序だって組み立てられる仕組み(林グループNeuron 2014)を、これに影響する細胞機能異常として、アルツハイマー病態におけるスパイン構成タンンパク質の異常リン酸化(岡澤グループHum Mol Genet 2014)を報告した。また、シナプスオルガナイザーLGI1/ADAM22/ADAM23系のLGI1に対する免疫反応が脳炎を起こすこと(深田グループ J Neuosci 2014)、同じファミリーLGI2の遺伝子変異がてんかんの原因となること(深田グループ PLoS Genet 2011, Nat Med 2015)を示した。一方、領域研究開始時に想定されていた変性疾患共通病態の中でのDNA損傷修復の重要性について、脊髄小脳失調症1型とハンチントン病の原因タンパク質に結合するHMGB1が、疾患タンパク質の結合により阻害を受けてミトコンドリアDNA損傷修復機能が低下すること(岡澤グループEMBO Mol Med 2014)、さらに、脊髄小脳失調症2型の原因タンパク質Ataxin-2はmRNAの非翻訳領域に結合してmRNAの安定性にかかわるタンパク質であること(河原グループ Mol Cell 2014)、脊髄小脳失調症1型のAtaxin-1に結合するPQBP1はhnRNAからのスプライシングを制御すること(岡澤グループ、Mol Psychiatry 2014)を明らかにした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
Mol Psychiatry
巻: 20 ページ: 459-71
10.1038/mp.2014.69.
Hum Mol Genet.
巻: 24 ページ: 540-58
10.1093/hmg/ddu475.
Curr Mol Med.
巻: 15 ページ: 119-28.
Nature Commun
巻: 5 ページ: 3822
0.1038/ncomms4822.
EMBO Mol Med.
巻: 7 ページ: 78-101
10.15252/emmm.201404392.
FEBS Lett.
巻: 588 ページ: 4583-9
10.1016/j.febslet.2014.10.028.
http://www.tmd.ac.jp/mri/shingakujutu/