(研究目的)新学術領域研究『シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成』は、種々の変性疾患・発達障害性疾患・精神疾患において、遺伝子異常が各種の細胞機能異常を介してシナプス異常に至る分子過程と、サーキット選択性をもたらす病態を明らかにし、各種疾患から得られた成果の比較統合から病態の相違と共通性を明確にし、新たな病態分類と疾患治療の基本戦略を探る。さらに、先端的分子イメージングを用いてシナプス分子病態ダイナミズムの可視化をはかり、iPSを含む幹細胞の病態モデルからのシナプス異常についても解析を進める。本領域の目的とする研究は、脳神経疾患研究において従来行われて来た、タンパク凝集あるいは細胞死を対象とする研究ではない。また、正常シナプス解析を基盤とするシナプスバイオロジーとも異なるものである。疾患そのもののシナプス・サーキット変調を、次世代型先端技術を駆使して様々な角度から解析することで、シナプス・サーキットパソロジーを切り開き、翻ってシナプスの正常機能についても新たなブレークスルーをもたらすことを目的とする。
計画班員および公募班員から、1)個々の班員の業績・成果、2)班員間の共同研究の業績・成果、3)社会発信の概略、について資料を集めた。また、外部評価委員および国際評価委員から評価を頂いた。その上で領域代表者が総括班員と協議しつつ領域の研究成果報告書をまとめて、これを冊子体に製本した。大学事務を通じて、国立国会図書館および日本学術振興会に送付するとともに、研究領域の関係者に広く配布する。
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