総括班
最終年度となった平成26年度は、以下のような項目を重点に研究領域の推進とまとめを図った。まず、発がん性微生物感染を基盤に引き起こされる感染発がん化機構のさらなる解明を目指した。とりわけ、炎症が発がんを促進するばかりでなく、発がんシグナルが炎症を加速する結果、両者間にがんの発症・進展を促進する負のスパイラルが作動するという発見は重要であり、その機構解析を進めた。また、感染、炎症とがんの発生・進展をつなぐ細胞・分子の解明に向けた研究の学問的インパクトをより一層高めるため、共同研究を含めた多くのマウス遺伝学研究を押し進めた。とくに、発がんとがん微小環境形成におけるマクロファージや炎症性サイトカインの役割とその抑制法、がん細胞の悪性化を加速する遺伝子編集酵素を中心としたゲノム不安定性の獲得機構とその阻止法、がん細胞を駆逐するための「制がんベクトル変換」を担う生体応答としての免疫システムの作動システム解明等の研究を、臨床応用にトランスレートできるレベルにまで高めるべく展開させた。さらに、発がんスパイラルを抑制する物質の特定とその抑制機構の解明に基づく新たなDDSの活用、感染制御に軸足を置いた感染がんの予防研究、炎症・感染発がんとがん幹細胞との関係に関する研究なども十分視野に入れながら、H25年度より参加している公募研究者と計画研究者間連携研究のさらなる強化と複合的・重層的な連携を通して本研究領域を推進した。なお平成26年度の第5回国際シンポジウムは2015年2月末に神戸市で開催され、成功裏に終了した。総括班事務局では、ホームページによる新規情報の逐次更新を継続するとともに、ニュースレター発行を継続した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Sci Rep
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Cell Host Microbe
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Cancer Sci.
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http://www.microbiol.m.u-tokyo.ac.jp/