研究領域 | 植物の環境感覚:刺激受容から細胞応答まで |
研究課題/領域番号 |
22120001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷 あきら 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40183082)
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研究分担者 |
西村 幹夫 基礎生物学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (80093061)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 植物細胞 / 環境感覚 / ポストゲノム / 細胞微細解析 |
研究実績の概要 |
植物は、移動可能な動物と比較して、より過酷な光、温度、水分などの環境の変化にさらされているが、特殊化した感覚器官を発達させることなく巧みにこれに対応している。本領域では、植物環境応答分野、植物細胞生物学分野、細胞解析技術分野などの研究者が緊密に連携し、植物細胞に対する新規技術を開発するとともに、これをいちはやく実際の研究に応用し、植物科学分野における全く新しい研究領域を切り拓く。この目的に従い、領域としての活動を統括するために総括班を置いた。 総括班では、昨年度に引き続き、異分野の研究者による共同研究が円滑に進行するよう、計画研究の各班の研究内容、実験材料、技術などについて、相互理解のための場を様々な形で提供した。特に公募研究については、領域の目標達成に向けた意思の統一を図るとともに、実際の共同研究が円滑に進行するよう環境整備に努めた。特に、A03班の成果を公募研究班への普及を進めるため、フェムト秒レーザーによる細胞操作、赤外光レーザーによる1細胞遺伝子発現誘導に関する技術ワークショップを相次いで開催した。また、昨年度に引き続き、計画班を中心に、技術開発のための植物材料供給を行った。また、班員全体を対象に、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボローム、イメージング技術支援のためのサービスを行った。 会議等については、研究の進捗状況を定期的に確認し情報を交換するための班会議を2回、大学院生を含む若手の研究交流の場として合宿形式の若手の会を1回、開催した。また、ニュースレター、ホームページを通じて、新しい技術手法の応用可能性を広く植物科学分野に衆知させた。さらに、国内学会の開催に合わせてシンポジウムを複数回開催し、外国人発表者を招聘して国外との情報交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書にある以下の4項目については、概ね目的が達成されたと考えている。(1)班会議、若手の会などの開催。(2)研究支援体制の確立。(3)ホームページを利用した領域内外への情報発信。(4)ニュースレターの刊行。これらに加えて、国内シンポジウムを数回開催した。さらに、技術系ワークショップを開催し、班員への新技術の普及に努めた。これらの努力により、100を超える共同研究が領域内が進行中であり、非常に興味深い結果が得られている。その成果の一部は、学会発表などを通じて公表済みであるが、連携に直接関係する成果に関する論文発表については、さらに充実させる必要がある。また、技術開発が進みつつあるので、これを分野に還元すべく、領域外への情報発信についてもさらに努める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度までの活動により、新技術開発に一定の目処がたち、領域内の共同研究も活発化することができた。研究の後半に向けては、当初の計画に従った活動を進めつつ、この分野の将来像を明確化し研究の収斂を図りたい。特に新技術については、応用に向けて一定の目処が立ったことを受け、班会議、技術ワークショップ、分科会などを開催し、領域内の連携を生かして応用可能性を広く模索する。さらには、この成果を分野に還元すべく領域外への情報発信に努める。このための方法としては、ホームページ、ニュースレターなどに加えて、当初より共同運営しているオルガネラ・データベースを活用したい。また、領域の力を最大限引き出すため、テーマを絞った分野横断的な分科会を企画する。
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