研究領域 | 神経細胞の多様性と大脳新皮質の構築 |
研究課題/領域番号 |
22123001
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
山森 哲雄 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 教授 (80260206)
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研究分担者 |
影山 龍一郎 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
後藤 由季子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70252525)
島崎 琢也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00324749)
野田 亮 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30146708)
桝 正幸 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20243032)
大隅 典子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00220343)
三品 昌美 東京大学, 医学系研究科, 教授 (80144351)
森 郁恵 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90219999)
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キーワード | 大脳新皮質 / 神経幹細胞 / 多様性 / 層構造 / 大脳皮質領野 |
研究概要 |
1)平成23年度の夏の班会議(平成23年8月20日~21日、神戸)、国際シンポジウム(平成24年3月10日~13日、岡崎、外国人講演者8名、日本人講演者24名、ポスター発表領域内19, 領域外29, 計137名参加)で国内外での当該分野の現状を集中的に討議することによって、幹細胞の運命決定と分裂様式の関連、霊長類とげっ歯類における共通性と相違点など共通の問題意識を通じて、大脳新皮質を構成する細胞の多様な性質を理解する視点が領域内に確立してきた 。 2)当領域は、神経発生、分子生物学の研究者が多く、光操作について習熟している班員は多くない。そこで、全班員に、どのような技術支援を希望するかアンケート調査を行ったところ、光イメージングや光操作技術の現状を理解したいという意見が最多であった。そこで、総括班で議論して、領域内講師(影山、森)と領域外の国内の代表的研究者(相沢、宮脇、池谷、八尾、松崎、山中)による班員と若手の同伴者への技術講演会を行った(平成24年6月7日、班員の旅費は総括班で支援)。この講演会により、光イメージングと光操作についての具体的理解が深まり、今後、自分の研究に取り入れたいと考える班員が増えたので、班員相互間での材料と技術提供等より具体的な支援活動を行っていく。 3)平成23、24年度の公募研究募集により24名の公募班員を採択した。そのうち14名は若手の准教授(4名)、助教(6名)、研究員(4名)である。これらの若手の公募班員と既に確立した研究組織を持つ計画班員が上述した領域活動の中で、研究発表や情報交換を積極的に行い、国際的にも新しく独自である日本におけるこの分野の形成が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度度の交付申請書で掲げた目標は、以下の通りである。 『HP・ニュースレター:本研究領域は、A01 項目からA03 項目までの広い領域をカバーするので、相互の情報交換が新しい発想を生み、共同研究を進める上で、非常に重要である。そのため、初年度(平成23年度)は、班員間の密接な情報交換と外部への情報発信の場として、HP を立ち上げ、また、一般にも分り易いニュースレター(第1号)を刊行して、会員相互の情報交換が定期的に行えるようにした。本年度は、HPコンテンツの更なる充実、ニュースレターによる班員と研究の紹介を更に進める。領域班会議:今年度から公募班員と計画班員が全員参加する班会議を8月20日、21日に神戸国際会議場で開催する。この場で、研究の成果発表と研究情報の交換を行い、研究者相互のコミュニケーションをはかる。国際シンポジウム:領域の成果と情報交換を国際的に行うために、国際シンポジウムを3月10日~13日に岡崎カンフェレンスセンターで開催する(この経費は、昨年度総括班経費の繰り上げを予定している)。総括班の運営体制:定例総括班会議を年2 回行い、領域の全般的な問題点や重点的な支援策を議論し、必要な事項を迅速に実行に移す。』 研究成果の概要に記したように、これらの計画は、全て達成した。更に、班員のアンケートに基づいて、技術支援講演会を、繰り越し申請して、平成24年6月に開催した。之に対する班員の評価も高かった。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究成果を踏まえ 本年度(平成24年4月1日~平成25年3月31日)の研究実施計画は以下の通りである。 本領域では、幹細胞分化制御を中心とするA01項目から層・領野を対象とするA03項目まで、広い領域をカバーするので、相互の情報交換が新しい発想を生み、共同研究を進める上で、非常に重要である。その為、本年度は、各計画研究と公募研究の発展を基盤としながら、以下の活動と総括班として計画している。 (1)HP・ニュースレター:既に、HPを立ち上げ、領域活動を研究者や一般に分り易いよう発信している。ニュースレターは、既に3号発行し、班員は勿論、神経科学者を中心に400部以上郵送で直接配信しており、好評で あるが、本年度も4号(国際シンポジウム報告)、班員の研究を焦点を当てて行っていく予定である。 (2)新学術領域の能瀬聡直領域と合同シンポジウムを行う予定である(8月24、25日、仙台)。引き続き 8月26日に班会議を行う。 (3)新学術領域の能瀬聡直領域と飯野雄一領域と3領域合同シンポジウムを11月27、28日(東大)で開催する予定で計画を進めている。 (4)総括班会議を年2~3回原則全員参加で行い、領域全体の問題や重点的・迅速な支援策を議論する予定である。
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