研究領域 | 食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明 |
研究課題/領域番号 |
22126001
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
寒川 賢治 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 所長 (00112417)
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研究分担者 |
細田 公則 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40271598)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 食欲 / 脂肪蓄積 / 脂肪毒性 / 肥満 / 痩せ |
研究実績の概要 |
肥満とそれに伴い増加する生活習慣病の重積の機序として、食欲及び脂肪細胞と非脂肪細胞における脂肪蓄積の制御の破綻による細胞機能異常が想定される。本領域は、食欲及び脂肪細胞と非脂肪細胞の脂肪蓄積の制御の生理的な分子基盤及び新規因子の同定と意義を解明するとともに、その破綻における分子基盤の解明を行うことを目的とする。さらに本研究は、肥満のみならず、痩せの病態の分子基盤の解明も併せて行う。本研究では、11件の計画研究による多くの分野の専門家から成る融合的な新学術領域を組織した。さらに、平成23年度から2年間の公募研究の公募を行い28件の研究課題を採択して、研究を推進した。また、本新学術領域内の研究者の情報交換、有機的な連絡を密にして共同研究を推進することを目的として第三回目の班会議を行うともに、情報発信のための公開国際シンポジウムを開催した。 ○第三回 班会議 大阪・千里ライフサイエンスセンターにて、2012年8月23日・24日に、計画研究11件・公募研究28件の現段階での研究発表を行った。評価委員・学術調査官の先生方にも参加頂き、活発な議論・意見を交換した。 ○公開国際肥満シンポジウム 肥満学会とジョイントで「アディポメディシンのトランスレーショナルサイエンスと臨床疫学-脂肪萎縮症から肥満まで-」と題し、2012年10月13日・14日の両日、京都大学医学部芝蘭会館にて公開シンポジウムを開催した。日本国内より137名、海外より19名と総勢約160名の参加者で、当領域の研究発表も含め、海外スピーカーや領域外の国内スピーカーにもご講演いただき、活発な議論・意見交換を行った。 また、本新学術領域のホームページ(http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~med2/jpn/appetite-fat/index.html)を作成し、情報発信を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
11件の計画研究に加え28件の公募研究課題による、多くの異なる分野の特に若手研究者が結集して融合領域を創成し、脂肪蓄積と食欲の制御と破綻の分子機構解明に対する体制を構築し、研究を推進することができた。その結果、領域内の研究者間で39件の共同研究を実施し、研究成果を挙げる事ができた。また、2日間にわたる班会議を開催することにより、領域内のメンバーが、全ての研究計画についての理解がさらに深まり、有意義な議論や意見交換が行えた。また、アウトリーチ活動として、公開講演会も実施した。
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今後の研究の推進方策 |
本領域の最終目標が、食欲と脂肪蓄積の調節と破綻における分子機構の解明、新規因子の同定、領域全体による新規因子の機能の解明である事を明確化し、その実現に向けて領域全体の連携を促進する。 新しい融合領域の具体的なコンセプトの明確化として、本領域は哺乳類のみならず多彩な生物種を含めた生化学、生理学、解剖学、農学、栄養学、内分泌代謝内科学、循環器病学、消化器病学、肝臓病学、呼吸器病学、神経内科学、小児科学、精神医学、心理学、整形外科学、癌研究、放射線診断学などの多分野の専門家による融合領域の形成を目指す。既に、現在までの計画研究と公募研究において、そのような非常に広範な多分野の専門家の参画を得ており、今後も更にそれを推進する。 研究項目A01とA02の間の連携の促進、「既存の枠に収まらない」研究の推進、次世代を担う研究者の育成の方策として、頻回のmeetingの開催、及びhomepageなどによる交流の促進、公募研究に多彩な分野の若手研究者のリクルートを行う。
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