肥満とそれに伴い増加する生活習慣病の重積の機序として、食欲及び脂肪細胞と非脂肪細胞における脂肪蓄積の制御の破綻による細胞機能異常が想定される。本領域は、食欲及び脂肪細胞と非脂肪細胞の脂肪蓄積の制御の生理的な分子基盤及び新規因子の同定と意義を解明するとともに、その破綻における分子基盤の解明を行うことを目的とする。さらに本研究は、肥満のみならず、痩せの病態の分子基盤の解明も併せて行う。本研究では、11件の計画研究による多くの分野の専門家から成る融合的な新学術領域を組織している。さらに、平成25年度から2年間の公募研究の公募を行い28件の研究課題を採択して、研究を推進した。また、本新学術領域内の研究者の情報交換、有機的な連絡を密にして共同研究を推進することを目的として第五回目の班会議を行うとともに、情報発信のため公開国際シンポジウムを開催した。 ○第五回 班会議 大阪・千里ライフサイエンスセンターにて、2014年8月21日・22日に、計画研究6件・公募研究25件の現段階での研究発表を行った。評価委員・学術調査官の先生方にも参加頂き、活発な議論・意見を交換した。 ○公開国際シンポジウム 第35回肥満学会に引き続いて"Molecular Basis and Disorders of Control of Appetite and fat Accumulation"と題し、2014年10月26日、フェニックスシーガイアリゾート コンベンションセンター(宮崎)にて公開シンポジウムを開催した。レプチンの発見者であるJeffery M. Friedmanによる特別講演、当領域の研究発表、海外スピーカーにも講演いただき、国内外の多数の参加者により活発な議論・意見交換を行った。 また、本新学術領域のホームページ(http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~med2/jpn/appetite-fat/index.html)を作成し、情報発信を行った。
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